「豊中まちづくり研究所」代表の芦田英機によるコラム。(有)豊中駅前まちづくり会社が発行する「豊中駅前まちづくりニュース」の巻頭コラムとして、2008年9月から2020年4月まで毎月連載。

【まちなかの散歩:140】春 まだ見えず(2020年4月)

「春4月・・・」と明るく書き出したいのだが、この原稿を書いている今も新型肺炎感染(新型コロナウイルス感染症)の拡大が続いていて、いよいよWHOからパンデミック(世界的流行)宣言がされ先行き不透明である。目に見えない敵に怯 […]

【まちなかの散歩:139】寒い寒い春である(2020年3月)

 2月初めの暖かな朝、散歩道で梅の花を発見。冤罪で大宰府に流された菅原道真の身の上に思いを遣りながら「早くも冬を越えたのか」と感慨に耽った。しかし数日後には、ぴゅうぴゅうと激しい風が吹く寒波に襲われ、一瞬ではあったが雪も […]

【まちなかの散歩:138】2020年2月22日(2020年2月)

「令和元年」の騒ぎを終えて「2020年オリンピック年」を迎えた。流石に「令和2年の五輪」とは言わない。上手く使い分けて話題を作り出していく。「クリスマスにジングルベルでケーキを食べ、大晦日に年越しのそばを食って寺の除夜の […]

【まちなかの散歩:137】歴史から学ぶことの意義(2020年1月)

~松浦さんの死を悼む~  あけましておめでとうございます。2020年、令和2年の年明けです。暮れのコラムにも書きましたが、昨年は改元と災害で明け暮れた一年でした。(スポーツ、スクリーン、政策のミスを逸らせるミス議員連等も […]

【まちなかの散歩:136】何だったのか、この一年(2019年12月)

 大騒ぎして迎えた「令和元年」が、後1か月足らずで幕を閉じようとしている。年配の人でも、大正・昭和・平成にわたって年数を通算する煩雑さ耐えられず、西暦の数え方に転向していた人達までもがマスコミに乗せられて枕詞のように「“ […]

【まちなかの散歩:135】旅に思う(2019年11月)

 思うところがあって、旅に出る機会を増やした。10月初旬、琵琶湖湖畔・浜大津から京都・蹴上インクラインまでの『びわ湖疏水船』乗船ツアーに参加する。折角、浜大津まで行くならと淀屋橋から京阪三条経由で“地下鉄”に乗り、急勾配 […]

【まちなかの散歩:134】本気になってまちづくりを(2019年10月)

 連日の熱中症警報に気をとられ、9月1日が「防災の日」であることを忘れていた。関東大震災が起こったこの日には、かつて各自治体では大規模な防災訓練を実施し、マスコミにより大きく報じられていたが近年はとんと見かけない。常に大 […]

【まちなかの散歩:133】歴史・専門家・困難に立ち向かう姿勢(2019年9月)

 広島・長崎への原爆投下を受けた日、敗戦と平和への終戦記念日と、今や遠くなった感のある日本の歴史に大きな影響を持つことを自覚するべき酷暑の8月が過ぎた。しかし、メディアが意欲的な取り組みを避けて争点隠しが目立った参議院選 […]

【まちなかの散歩:132】七夕を前に消えた“おかあさん”(2019年8月)

 七夕を前に妻が他界し、「筆を執る気力が起きないから」と「コラムの休載」を編集者に申し入れたところ、「そのような状態を充分理解した上で、ぜひ何か書かれることをお勧めいたします。今の想い、今でしか書けない想いを書かれるのが […]

【まちなかの散歩:131】これ、何よ!(2019年7月)

 あの長い連休明けからだったろうか。阪急宝塚線で今も乗降客数ナンバーワンを誇る豊中駅の人工広場に写真のような横断幕が張られている。所用があって他市から豊中駅のエイズ検査の啓発を目的としていることは十分にわかる。自分だけで […]

【まちなかの散歩:130】熟議民主主義(2019年6月)

「改元」を口実にしてメディアの「真相報道」の機会を更に乗っ取られ、史上空前という長い連休明けで疲れ切った5月をやり過ごして6月を迎えている。すっかり忘れられた感がある昨年の災害は6月から始まっている。「令和初めての○○」 […]

【まちなかの散歩:129】かくも長き不在(2019年5月)

 今年の五月は特別である。今年に入り、ほとんどすべてのマスコミが、メーデーはおろかエイプリルフールまで黙殺し、ただただ「改元」ネタを垂れ流し状態にした総決算月となるのか。“源五郎丸”を声援しても、「元号」をほとんど使うこ […]

【まちなかの散歩:128】相撲・センバツ・選挙(2019年4月)

 4月。年度始めで、勤め人は転勤・退職・異動、学び人は就職・入学・卒業・転校と慌ただしい季節である。運送業界もご多分に漏れず人手不足で転宅もままならぬとか。えらい時代になったものである。  幸か不幸か、そうした人生を精一 […]

【まちなかの散歩:127】自画像としての都市(2019年3月)

 かつて、豊中のまちづくり活動を共にし、その後、コンサルタント会社で学んで専門家として活躍し、現在、ニューヨーク、ブルックリンに居を構えている友人から届いたメールを紹介したい。 「大阪も寒暖の差が激しいようですが、お変わ […]

【まちなかの散歩:126】恵方は寝て待て(2019年2月)

 “混迷の世に行方求める恵方巻き”年賀状の整理と新聞の年間予定集記事を手帳に転記したのが昨日のようである。年頭に読者の気持ちを高ぶらせてくれるような格調高い記事も少なくなっている新聞だが、年間予定行事を掲載するとはさすが […]

【まちなかの散歩:125】温故知新(2019年1月)

 新年明けましておめでとうございます。昨年は狂暴なまでの気象現象が繰り返され、各々が対応に追われ慌ただしい年でした。そして読者の皆様方には何かとお世話になりました。  この有限会社豊中駅前まちづくり会社も1999年(平成 […]

【まちなかの散歩:124】“平静”は続くように(2018年12月)

 とうとうカレンダーが1枚になった。災害級の猛暑が続いた夏が過ぎ、短い秋を経て1年を終えようとしている。落ち着かない1年であった。6月の大きな地震、7月の暴風雨、そして再度の地震、さらに10月の台風21号。停電による生活 […]

【まちなかの散歩:123】“後の祭り”にさせないために(2018年11月)

 この夏は“気象の狂暴化”現象が続いた。昔なら“末世”と呼ばれ、“ノストラダムスの大予言”が当たったと騒がれる現象であろうか。(真相不明に終わった“ハルマゲドン”はこの際、無視する)  23年前の阪神大震災よりも激しく揺 […]

【まちなかの散歩:122】「豊中駅前まち歩き」のすすめ(2018年10月)

 25年ぶりといわれる超大型台風21号が我が町も襲い、休校・休業・交通機関の計画的運休・停電、そしてテレビのない時間を過ごした。電話の不通は携帯で補える家庭が増えても、オール電化生活での調理(冷蔵庫)・風呂・車庫等への支 […]

【まちなかの散歩:121】秋来ぬと目にはさやかに見えねども(2018年9月)

 繰り返す大きな地震、危険な長びく豪雨、延々と続く酷暑と、街だけでなく心身をも痛めつける気候変動が続いて9月に至っている。身内や知り合いが被害に遭われた方々には謹んでお見舞い申し上げ、本『豊中駅前まちづくりニュース』がお […]

【まちなかの散歩:120】どないせいちゅうねん!(2018年8月)

 開催が危ぶまれた七夕まつりも市民の期待に応えて無事に終わり、まちは2か月前に起きた地震や豪雨があったことも嘘のように夏休みを迎えている。23年前の阪神大震災よりも大きな震度だったが、災害を教訓に都市施設や住宅に先行投資 […]

【まちなかの散歩:119】みんなが支える七夕まつり(2018年7月)

 豊中駅前の夏の風物詩『七夕まつり』が今年も開催される。詳しくは本紙の別の欄に譲るが、第38回目の七夕まつりは8回の準備会を経ていよいよ本番である。  この間の裏方が準備に向けて費やしたエネルギーは多大で、まさに“人知れ […]

【まちなかの散歩:118】誰のための議員か(2018年6月)

 市長選挙は激戦の末に、維新と共産以外の全会派(政党)から推薦を受けた新市長が誕生した。自治体選挙とは大きな争点がなく、そんなものだと訳知り顔にいう人もあるが、同時に行われた議員補欠選挙で議席を増やした維新という反対勢力 […]

【まちなかの散歩:117】木の心、石の声、民の心を聴く(2018年5月)

 ゴールデンウイークも過ぎ、多くのシルバーエイジの期待を集めた豊中駅前まちづくり会社の春の行事「丹後ツアー」もバスの車窓からの山野の新緑、船上からの海の青さを堪能して終えられた。  この旅の企画を練っている最中、案じられ […]

【まちなかの散歩:116】名実ともに“春”を待つ(2018年4月)

 近年稀にみる豪雪をもたらした厳しい冬がやっと去り、春本番、4月の到来である。入学・就職、人事異動・転勤・転居と、期待と少しばかりの不安が混じる新しい生活を始める家庭もあるだろう。  そして、豊中市にとっては久々に市長選 […]

【まちなかの散歩:115】ご破算に出来ない年度末(2018年3月)

 韓国での冬季オリンピックの開会式は夜8時から始まった。“アスリートファースト”を唱えながら、時差のある欧米TV放送のスポンサーに配慮して夜でも開会式や試合を行うのは、いつの頃からか。今回も北朝鮮による政治利用を挙って酷 […]

【まちなかの散歩:114】平成の時代に思う(2018年2月)

【まちなかの散歩:114】平成の時代に思う(2018年2月)  2018年も早や1か月が経ち、「平成」の1月を過ごすのもあと1回だけとなった。昭和と平成の世を生きて、いよいよ3つの元号を生きる身になる。戦後の民主主義教育 […]

【まちなかの散歩:113】まちづくり会社20年目の新春(2018年1月)

 新年明けましておめでとうございます。1998年12月21日設立の「(有)豊中駅前まちづくり会社」は20年目の活動を始めます。今年も変わらぬご支援をお願いいたします。  昨年は「森友学園」で豊中市が一躍全国的に有名になり […]

【まちなかの散歩:112】師走に考える(2017年12月)

 昔は僧侶も教師も走るほどの忙しさから名付けられたという「師走」。自転車でもスピードを出して走りたくなるものであるが、ちょっと待ってもらいたい。インターネット上に、こんなルールが紹介されていた。 1.自転車に乗って犬の散 […]

【まちなかの散歩:111】スクランブル交差点の改善への歩み(2017年11月)

 豊中駅前の「スクランブル交差点」と、まちづくり協議会の改善への取組については、これまで、この「まちづくりニュース」紙上の『まちづくり掲示板』『じゃすとナウとよなか』で繰り返し掲載してきている。まちづくり協議会が発足して […]

【まちなかの散歩:110】消防車が交流の灯を点けた(2017年10月)

本紙9月上旬号で50回の連載を数えた「海外まち事情」では、『ラオスのボランティア救急隊と豊中消防』を掲載している。見過ごされた方のために、ここに再掲する。 「世界中には救急サービスのない国がたくさんある。ここラオスの首都 […]

【まちなかの散歩:109】豊中検定(2017年9月)

 夏休みが終わり新学期が始まった。7月の七夕まつりに豊中駅前まちづくり会社が子ども向けに開催した『豊中検定』を本号に掲載して改めて豊中のことを考えてみたい。 さて正解は? ①豊中稲荷神社の前にある「ライフ」はライフ第1号 […]

【まちなかの散歩:108】愛の反対語は憎しみではなく無関心である(2017年8月)

 インドで貧困と病気で苦しんでいる人々に愛の手を差し伸べたマザーテレサが語ったとされる言葉である。苦しむ者に関わりを持たずに傍観者であることが愛の対極にあるという。 豊中駅前地区の恒例の七夕まつりが今年も“こども”をテー […]

【まちなかの散歩:107】素朴な疑問(2017年7月)

 このコラムを掲載した「まちづくりニュース」が皆様の家庭に届く頃、恒例の豊中駅前の七夕まつりが目前である。豊中駅前まちづくり会社は、かつて好評であった「豊中検定」に加えて「折り紙教室」を企画している。このイベントに参加し […]

【まちなかの散歩:106】公園のグラブ(2017年6月)

 町なかの桜が華やかに咲き誇り終えるのを見届けるようにして、家々の庭には初夏の日差しを一杯に受けとめるかのように枝を天に伸ばしたハナミズキが清楚な花をつけて、この町の穏やかな風情に彩りを加えてくれる。そんな町なかの公園の […]

【まちなかの散歩:105】子や孫のために残すこと(2017年5月)

 過日、ヘミングウェイの『誰がために鐘が鳴る』をTVで観る。「スペイン内戦を舞台にゲリラ活動に義勇兵として参加し、政府の軍事輸送を阻止するため鉄橋の爆破を実行するアメリカ人ロバート・ジョーダン(ゲーリー・クーパー)と彼に […]

【まちなかの散歩:104】今だけ、金だけ、自分だけ(2017年4月)

 一躍「大阪府豊中市(野田町)」が世間の脚光を浴び、我が町のイメージを心配してくれる全国の友人・知人達からのメールが届く。「文教都市」を名乗っていても航空機騒音や人口急増で悩まされ傷跡を深く残す都市であることが明らかにな […]

【まちなかの散歩:103】トランプが切り札か(2017年3月)

 2月の朝の散歩途中のことである。豊高道の昌文堂書店で教科書販売の準備を目にする。春から豊中高校・梅花学園に新入生・新学年になって新しい教科書での授業を待つ生徒らを思い浮かべる。そして、この1年で目覚ましく成長してきた孫 […]

【まちなかの散歩:102】2017年の一か月(2017年2月)

 2017年と年が改まって早や一か月。我が家のカレンダーには西暦に平成29年と昭和92年を付記している。昭和の年号で年を記してきた者にとって、西暦は年号で数えるより便利であるが、自分の記憶をたどるには些か時間がかかること […]

【まちなかの散歩:101】酉年を迎えて(2017年1月)

【まちなかの散歩:101】酉年を迎えて(2017年1月)  新年明けましておめでとうございます。旧年中は、(有)豊中駅前まちづくり会社の活動に、ご理解・ご支援を賜りまして厚く御礼申し上げます。お蔭様で、この「まちづくりニ […]

【まちなかの散歩:100】申年、去る(2016年12月)

 師走を前にして大方の予想を覆してアメリカの次期大統領に共和党のトランプが選ばれた。日米のマスコミは日本での選挙報道と同様に、事前の政策分析を十分に尽くすことなく競馬の予想を彷彿させるかのように相手への悪口雑言と事後の分 […]

【まちなかの散歩:99】先人に学ぶ(2016年11月)

 このコラムも今回で183回になる。“よくもまぁ、だらだらと続けてきたものである”と嫌味(183)を言う輩もあり、“継続は力である”と言って庇ってくれる御仁もある。新聞記者だった友人が、「最近は肩に力が入らなくなってきた […]

【まちなかの散歩:98】広島カープの優勝に思う(2016年10月)

 本紙をカラー版にして9月上旬号・中旬号と1カ月が過ぎました。広告掲載料を上げて各スポンサーにはご負担をお掛けしておりますが、おかげ様で(多少のお世辞も含めてでしょうが)「奇麗なぁ」、「明るいなぁ」「見やすいなぁ」と総じ […]

【まちなかの散歩:97】身近な安全・安心のまちづくりを(2016年9月)

「まるであなたの気性のようね」と妻が冷やかすほど激変し、厳しさが続くここ数年の日本の気象現象。あの心身が休まる穏やかな四季の季節感は今いずこ?エアコン無き昼間の暑さも夕立で一日を終えたのが“日本の夏”であり、キンチョウの […]

【まちなかの散歩:96】騙されたあなたにも責任がある(2016年8月)

 夏休みを前に書斎の整理をしていて読みかけの本を見つける。『騙されたあなたにも責任がある~脱原発の真実~』。原子力の平和利用を志しながら原発の危うさに気づき、その危険性を訴え続けて、大学では最も地位の低い助教(助手)に最 […]

【まちなかの散歩:95】これも争点でんがな(2016年7月)

 今年で36回を迎える豊中駅前の七夕まつりは7月10日(日)である。七夕まつりの歴史を担ってきた先輩たちが、諸般の事情で残念ながら表舞台から消えていく中、人手不足・資金不足・時間不足等々の困難の中にも拘らず開催に漕ぎ着け […]

【まちなかの散歩:94】七夕まつりについての3つの誤解(2016年6月)

 なかなか収まらない熊本・大分の地震に21年前のあの恐怖を思い出し、当地の友人・知人に心遣り、早い収拾を祈る今日この頃である。東北の友人も「阪神淡路大震災では、まさか自分たちの身に同じことが起きるとは思いもしなかった」と […]

【まちなかの散歩:93】豊中まちづくりフォーラム100回開催を前に(2016年5月)

 (有)豊中駅前まちづくり会社が毎月開催している「豊中まちづくりフォーラム」が、来月の6月21日で100回を迎える。このフォーラムは、毎月の上旬・中旬に発行している本紙「豊中まちづくりニュース」や3か月毎に野村証券豊中支 […]

【まちなかの散歩:92】『旅』(2016年4月)

 旅に出ると、至るところで春休みを利用した沢山の学生の旅行姿を目にする。それは今も昔も変わらないのだが、昨今は高齢者集団の多さと外国とりわけ中国・韓国の観光客の多さが際立つ。本紙の『豊中への便り』欄にあるように、中国人が […]

【まちなかの散歩:91】もう、弱い者いじめをやめよう(2016年3月)

 また3月がやって来た。豊中稲荷神社に荒汐部屋がやってくる大阪場所のことではない。涙の卒業式でも転勤・転宅のことでもない。ましてやセンバツ高校野球でもない。  今号のまちづくりニュース掲載の「豊中への便り」への寄稿文『東 […]

【まちなかの散歩:90】徒然なるままに-躾け、教育、訓練(2016年2月)

 今月は、エスカレートする政治の独走、傲慢になる国家官僚と劣化する自治体行政という社会構造に同調せず、少し柔らかな話題でお願いしたいという注文に応えて、徒然なるままに・・・。  朝の散歩中に挨拶をして訝られることが少なく […]

【まちなかの散歩:89】公共の福祉と私的利益の追求のバランス(2016年1月)

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。“不思議な会社”と訝(いぶか)られながら、(有)豊中駅前まちづくり会社も1991年12月21日の設立から16年を経ました。残念ながら相変わらず会社の運営は […]

【まちなかの散歩:88】市民の友好が今こそ有効”(2015年12月)

【特報】豊中駅前まちづくり会社が支援して出版された満州引き揚げ記『嗚呼命(ああいのち)』の著者であり、出版記念の豊中まちづくりフォーラム『8歳での満州引き揚げ記』(2013年8月)の講師である加藤茂氏が11月28日、中国 […]

【まちなかの散歩:87】みんな霧の中(2015年11月)

 TPP(環太平洋経済連携協定)が「大筋」で「合意」とマスコミが報じる。だが、「大筋」がどこまでで、何が「合意」か解らない。当事者である国民が内容を知らされない「秘密交渉」で進め、締結後なお4年間も秘密とする協定を「締結 […]

【まちなかの散歩:86】2015年9月19日(2015年10月)

【まちなかの散歩:86】2015年9月19日(2015年10月)  風が肌に心地よくなり、日頃は(戦後の平和な復興期・成長期を支えてきた)年嵩の方々のゲートボール広場が、しばらく運動会の練習に黄色い歓声を上げる園児達で一 […]

【まちなかの散歩:85】夏の思い出(2015年9月)

♪“夏がゆけば恋も終わる”と あの人は いつも言ってた リーフ・リーフ・・・・・・君にぼくの恋を語ろう♪ ご存知(?)今や老人街道を驀進する団塊世代が青年の頃に口ずさんだ舟木一夫の「高原の御嬢さん」である。この夏の「思い […]

【まちなかの散歩:84】自転車とルール(2015年8月)

 “自転車操業”にも似た経営を余儀なくされている「豊中駅前まちづくり会社」に関わっている者が、このテーマを取り上げるのは、いささか皮肉ではあるが、7月中旬に好評の「暮らしセミナー」の一環として「自転車とルール」をテーマに […]

【まちなかの散歩:83】七夕まつりに思う(2015年7月)

 今年も7月12日(日)午後1時から5時まで(通行止めは12時~6時)豊中駅前は歩行者天国となり、「七夕まつり」が開催される。これまで本紙は、『まちづくり掲示板』(2009年8月中旬号・9月中旬号、2011年8月中旬号・ […]

【まちなかの散歩:82】国民に嘘をつく国家は滅びる(2015年6月)

 過日、久しぶりに出会った東京在住の知人が『昔、こんなことを言ってくれたよなぁ』とぽつりと言った。私にその記憶はないが、多分そう話したであろうと想像はできる。だが、彼がその言葉を受け止め、その後の生き方に影響を与えていた […]

【まちなかの散歩:81】子どもの教育(2015年5月)

 5月。これまで、この欄では5月は穏やかに「こどもの日」を取り上げて来たが、このところ「平和憲法」、「民主主義」、「基本的人権の保障」・・・・・と並ぶ“戦後レジーム(体制)からの脱却”とかで、教科書内容も含めた“子どもの […]

【まちなかの散歩:80】大阪市が無くなる!(2015年4月)

「大阪市がなくなる」。3月6日に開催された「豊中まちづくりフォーラム・プレミアム」の会場での発言である。「大阪市だけの問題、他人事ではない。この流れでは、次は大阪府内の豊中市がなくなる」との声も続く。権限を与えられた「大 […]

【まちなかの散歩:79】思い違い(2015年3月)

 3月。入学・入園、卒業・就職・退職、転勤・転校・・・・・・。各人・各家庭で色々な節目の月である。国際社会に合わせて「9月入学」と言っていた大学改革は何処に行ってしまったのだろうか? 「市民生活を支える」役所も年度末の月 […]

【まちなかの散歩:78】春は名のみの風の寒さや(2015年2月)

 ♪春は名のみの風の寒さや 谷のうぐいす 歌は思えど・・・(『早春賦』)♪ の通り、寒さが続く。 冬の間、大阪では寒さと引き換えにカニを待ち焦がれるが、わずか100km程度しか離れていない日本海側では曇天・雪の続く日々に […]

【まちなかの散歩:77】初心(2015年1月)

 明けましておめでとうございます。昨年1年間も何かとお世話になりました。今年も豊中駅前まちづくり会社に変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。  2015年を迎えた。「2000年問題」で大騒ぎしてから15年も経つこと […]

【まちなかの散歩:76】開戦記念日(2014年12月)

 本紙が皆様の手に届く12月1日から1週間後の12月8日は開戦記念日である。今から73年前の1941年(昭和16年)の午前3時19分、「ニイタカヤマノボレ1208」(12月8日午前零時に戦闘開始)の暗号電報が打たれ、日本 […]

【まちなかの散歩:75】秋の酒席で(2014年11月)

 秋も深まり、日本酒が一段と美味くなってきた。社会人一年生になった時の「酒席では難しい話を話題にするな」との先輩の教えに背いて、過日も酒席で議論をしてしまった。テーマは「今、町なかに商店街は要るか」である。  かつて、豊 […]

【まちなかの散歩:74】予備校のチラシ(2014年10月)

 大手予備校・代々木ゼミナールが受験生数の減少で全国の7割に当たる20校舎を閉鎖するという。浪人した今は亡き親友が一念発起し、親に無理を言って代々木ゼミで学び、田舎から東大に進み高級官僚になっていった出世話を思い浮かべる […]

【まちなかの散歩:73】記念日を考える(2014年9月)

 暑苦しい夏が続く。69年前に日本に戦争があり、どこと戦ったかすら知らない若者が少なくないとテレビで知り愕然となる。夏休みで遊びにきていた6年生の孫に尋ねても「太平洋戦争のことでしょう?」と明確に答えているのに・・・。そ […]

【まちなかの散歩:72】酷暑の8月(2014年8月)

 極暑の夏休み。宮沢賢治が言う“夏の暑さにも負けぬ丈夫なからだをもち、慾はなく決して怒らずいつも静かに笑っている”とは、とてもいかない。こんな時に涼をとるには“カキ氷”を食うに限る。“夏季氷”とは上手く言ったものである。 […]

【まちなかの散歩:71】刺抜き地蔵(2014年7月)

 過日、久々に江戸の空気を吸う機会があり、何故か気になる“おばぁちゃんの原宿”巣鴨の「刺抜き地蔵」も訪ねてみた。駅前のかなり広い道を隔てて遠い向うに大きな『巣鴨商店街』の横断看板(?)。位置は分ったが近づいても平面で道路 […]

【まちなかの散歩:70】ライフ創業店(2014年6月)

 先月の本紙「まちづくりニュース」中旬号では、“豊高道”について触れた。同じく55号(2011年4月号)では、「豊高の前身・大阪府立第13中学校は、大正11年10月2日から豊中の地で2学期を開始し、多くの生徒が豊中駅から […]

【まちなかの散歩:69】電線のないまちづくり(2014年5月)

 最近、テレビでは再放送と“懐メロ”番組が目立つ。 ♪ 振り向かなハハいでぇ~ お願いだハハぁか~ら、今ね、靴下直してるの~よッ、あなたの好きな黒い靴下・・・イェィ、イェィ、イェィ、イェィ・・・ ♪  多感な少年の心をド […]

【まちなかの散歩:68】自転車泥棒(2014年4月)

 春4月。新学年・新入生となって、自転車を買ってもらった子供も少なくないだろう。最近、知人から届いたメールの末尾に刺激的な文言があった。それは、自転車の絵文字とともに、『KEEP LEFT ・・・自転車は車両です、車道の […]

【まちなかの散歩:67】仏壇(2014年3月)

 今年も3月9日から23日まで開催される大相撲・大阪場所の合宿所として豊中稲荷神社に荒汐部屋がやってきた。復活した中国・内モンゴル出身の男前の蒼国来(そうこくらい)、1月場所で序の口優勝した介護福祉士の資格を持つ変り種の […]

【まちなかの散歩:66】雲海(2014年2月)

 “誤魔化す”。元々、“弘法大師(空海)の有り難い護摩の灰”であると偽り、“ただの灰”を売りつける詐欺師がいたことから、人目を紛らすことや気付かれないように不正を働くことを「誤魔化す」と言い始めたとか。足りない財源を補う […]

【まちなかの散歩:65】自己採点(2014年1月)

 明けましておめでとうございます。昨年中は「まちづくり会社」へのご理解・ご支援を頂き感謝いたします。お陰様で創立以来15回目の正月を迎えられました。既にお気づきの通り、新たなボランティア・スタッフを迎え、活動を一層充実さ […]

【まちなかの散歩:64】後継者(2013年12月)

 昭和の野球少年の憧れの的であった“打撃の神様”巨人の川上哲治が亡くなった。“川上テツジ”が、いつの間にか“川上テツハル”となっていた。聞けば現役を引退して背番号を77にしたのを契機に名前の呼び方も変えたという。選手時代 […]

【まちなかの散歩:63】冬眠(2013年11月)

 夫婦2人きりとなった我が家に孫を誘き寄せる秘策として飼ってきている銭亀の動きが、最近とみに鈍くなってきている。いよいよ冬眠に入るようである。どこか激変する政治状況に対する取り立てた動きを見せない市民・国民の動きに似た感 […]

【まちなかの散歩:62】コラムのコラム(2013年10月)

【まちなかの散歩:62】コラムのコラム(2013年10月)  あなたは、今年の花火をどこでご覧になっただろうか? 幼い頃に眠い中、父母に連れられて行った福知山の花火大会があんな惨事になってしまって本当に悲しい。夜空に展開 […]

【まちなかの散歩:61】夏の終わりに(2013年9月)

 “盆の入り”の8月12日に摂氏39.8度などという体温であれば慌てて医者にかかる程の暑さを記録した豊中は、夏の峠を越えても今なお熱気が残り、弱った体力をさらにイジメてくれる。公表される豊中の気温が、大阪国際空港(伊丹空 […]

【まちなかの散歩:60】8歳での満州引き揚げ体験を語る(2013年8月)

 昨夏、256ページもの原稿用紙に手書きの手記を見せられる。隣接する小学校での講演の基となる『満州引き揚げ記』である。「“生き延びた記録”を残せ」と母親から励まされて書き綴ったという。既に一部は、他の方の記録と併せて豊中 […]

【まちなかの散歩:59】まちづくり会社の歩みと新生(2013年7月)

 今年も折り返しの月を迎えた。早いものである。暑い最中ではあるが、盆の来る前(?)に自身の内省もさることながら「まちづくり会社」の歴史を振り返っておきたい。この「まちづくりニュース」の発行元である(有)豊中駅前まちづくり […]

【まちなかの散歩:58】後始末(2013年6月)

【まちなかの散歩:58】後始末(2013年6月)  連休に我が家を訪れる“アンパンマンと猫大好き”の2歳の孫娘を歓迎するため、玄関には宮山幼稚園の門柱にあるアンパンマンの写真を貼り、手洗いの扉、壁、便座には幾つかの独特の […]

【まちなかの散歩:57】こどもの日(2013年5月)

 “子供”か“子ども”という表記をめぐる議論を避けてのことか、「“こども”の人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、“母に感謝する”(「国民の祝日に関する法律」)」日として、5月5日に「“こども”の日」が制定されてい […]

【まちなかの散歩:56】遠軽高校の快挙(2013年4月)

 春の高校野球“センバツ”。このニュースが配布される頃には優勝チームが決まっているはずだが、「21世紀枠」で選ばれた初の北海道代表「遠軽」の名は懐かしい。今は廃線となった“小さな鉄道”で遠軽近くの紋別を経てオホーツクの海 […]

【まちなかの散歩:55】貧乏は辛いが、命は惜しいし、弱いもの虐めは嫌や!(2013年3月)

 年初めに我が家に投げ込まれた不動産会社のチラシに「新年度に入って・・・」という見出しがあった。勿論「年度」ではなく「年」であろうが、この3月が、その「新年度」への切り替え月である。  入学、進級、卒業、就職、異動、転勤 […]

【まちなかの散歩:54】嗚呼(あぁ)、命(2013年2月)

 日数が少ないため、“2月は逃げる(ように早く経つ)”と言う。 “逃げる”で言えば、今、仕事の合間を縫って取り組んでいる作業がある。8歳の時、旧満州で終戦を迎え、敵の目を避けながら女性や年配者ばかりで何日も歩かねばならな […]

【まちなかの散歩:53】初笑い(2013年1月)

 明けましておめでとうございます。旧年中は、私どものささやかな活動に、ご賛同・ご協力を頂き、ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。  西暦2013年、平成25年。東日本大震災後、2度目の正月である。震災 […]

【まちなかの散歩:52】穏やかな新年となりますように!(2012年12月)

 12月。年の暮れである。思い起こせば、かつて、この“年の暮れ”に「2000年問題」という大騒ぎがあった。コンピュータが年数の表現を下2桁のみで処理すると、2000年が「00」年となり、これを「1900」年とみなしてデー […]

【まちなかの散歩:51】サムライ(2012年11月)

 11月。今月は、2月、4月、6月、9月と並んで月の日数が「31日」に満たない「小」の月である。幼い頃に“西向くサムライ”と覚えろと教えられたが、11月が何故にサムライなのか?“十一”を縦に並べると「士」がなるという。西 […]

【まちなかの散歩:50】まつりごと(2012年10月)

 秋10月。神無月。我々が“神無月(かんなづき)”と呼ぶ今月を、出雲の人々は“神在(かみあり)月(づき)”と呼ぶと知った時の感動を思い出す。幼い頃に見聞きした神話の世界が現実としてあるのだと…。  そして今年2012年( […]

【まちなかの散歩:49】愛の反対は、無関心である(2012年9月)

 9月。残暑なお厳しいとはいえ、初秋。食欲・スポーツ、そして読書の秋を迎える。  戦後のある時期を義務教育の期間として過ごした者にとって、教科書代が払えず、“使い古し”を譲り受けようと先輩の家々を訪ね回った経験、そして、 […]

【まちなかの散歩:48】魔訶不思議(2012年8月)

 8月。ご先祖が帰って来られるという仏教の考え方に従い墓参を行い、祖先を改めて敬う月でもある。「魔訶」とは「偉大な」という古代インド語の「マハー」の漢字訳とか。  その「魔訶不思議」なこと、理解し難いいくつかの例を挙げて […]

【まちなかの散歩:47】砂浜(2012年7月)

 7月。朝の散歩途中で、風に乗って聞こえてくる梅花学園・女生徒の清純なコーラス。甘酸っぱい思いが込上げると共に、我が身の人生の収穫期を知り、さらに、早くも一年の半分が過ぎたことを知る。長月である。  過日、若者達に東日本 […]

【まちなかの散歩:46】盥(たらい)の水(2012年6月)

 「盥」。といっても意味どころか、ルビが振っていなければ読める人すら少なくなっている言葉である。「(テアライの約)水や湯を入れて顔や手足を洗う器の総称。今は多く、比較的大きな木製・金属製・プラスティック製などの洗濯盥をい […]

【まちなかの散歩:45】真贋(しんがん)(2012年5月)

 真贋。本物と偽物のことである。テレビの鑑定バラエティ番組『なんでも鑑定団』だけでなく、美術品・骨董品の世界でよく問題になる。最近、どの町にいっても貴金属の買取店が目立つ。年季の要るはずの商売で、目利きが大変だろうと他人 […]

【まちなかの散歩:44】まちの春・秋(2012年4月)

 春、4月。東北の春は遅い。震災前は、のどかに口ずさんだ千昌夫の『北国の春』の♪こぶし咲くあの北国の春、・・・あの故郷に帰ろかな~、帰ろうかな~♪も、すっかりその持つ意味を変えてしまった。行き場を失っている被災物(ガレキ […]

【まちなかの散歩:43】水鳥の足に暇なき我が思いかな(2012年3月)

 3月。このコラムが目に留まる頃、メディアの特集とも相まって、多くの方が1年前の東日本大震災をそれぞれの体験とともに思い起こし、春遅い東北の被災者の身に思いを馳せておられることであろう。まだまだ寒い北国の生活は、依然不透 […]

【まちなかの散歩:42】単なる懐古趣味でも、守旧派でもなく(2012年2月)

 2月、如月。“きさらぎ”は、“衣更”(“絹更”とも)であり、着ている着物の上に更に重ね着をする厳寒の防寒法である。丹波では今でも高齢者は夜のことを“よさり(夜更り?)”と言い、「よさりに口笛を吹いたら泥棒が来るで!」と […]

【まちなかの散歩:41】夢は枯野を駆け巡る(2)(2012年1月)

 新春を新たな気持ちで迎えて下さったことでしょう。昨年は、豊中駅前まちづくり会社の運営に色々とお世話になりました。まちづくりニュースの協賛広告をはじめ、レンタルルームのご利用、アイボリー寄席・新免館寄席・アイボリーフォー […]

【まちなかの散歩:40】夢は枯野を駆け巡る(2011年12月)

 師走、12月。年齢を重ねると、その年数を分母とした数字が段々と大きくなり、分子の1年が相対的に小さくなって、1年を早く過ぎると感じるのだとか。まさに、もう年の瀬を迎える。一年の締めくくりの月だが、今年はそう簡単には締め […]

【まちなかの散歩:39】モズが枯れ木で(2011年11月)

 11月。あの厳しかった酷暑が嘘のように一気に秋が来て、今、既に晩秋である。ミカン、柿、栗で味わう味覚(み・か・く)の秋から鍋料理の季節を迎える。  我がまちづくり会社も、今年も10月18日、丹波ツアーを開催した。恒例の […]

【まちなかの散歩:38】“何故?思考ジャパン”(2011年10月)

 秋10月。食欲の秋、文化の秋とともにスポーツの秋である。 県内からのレギュラー選手が一人もいなかったというチームを準優勝校に戴いた夏の高校野球。とはいえ、“目くそ鼻くそを笑う”の類の学校も多く、健闘をたたえたい。ここ豊 […]

【まちなかの散歩:37】雨ニモマケズ(2011年9月)

 今なお、震災の被害から立ち直ろうと苦しんでいる東北の地・岩手に生れ、民を愛し続けた詩人・童話作家・教育者に宮沢賢治がいる。賢治が生まれる約2か月前に「三陸地震津波が発生して多くの災害をもたらしており、また誕生から5日目 […]

【まちなかの散歩:36】縮む(2011年8月)

 この春3月11日に起きた東日本大地震から間もなく5か月を迎える。その震度の大きさ、直後の凄まじい津波、加えて安全神話の原子力発電所事故による被害である。  それぞれに問題点を大きく国民に提起しているが、未だに被害の回復 […]

【まちなかの散歩:35】ミルキーウェイ(2011年7月)

 地域でのまちづくり活動において小さなグループで意見を出し合う「ワークショップ」が、「職安」(ハローワーク)でないと同様に、「ミルキーウエイ」は、牛乳配達の道ではなく、銀河「天の河」であることはいうまでもないが、その天の […]

【まちなかの散歩:34】チェック(2011年6月)

 東日本大震災の発生から3ヶ月が過ぎた。マスメディアの報道の中心は被災地の状況よりも節電対策で占められている。現地では、声を上げられずにいる多くの被災者が、まだまだ不便な身近な生活への支援を求めているというのに…。  原 […]

【まちなかの散歩:33】“分けること”と“まとめること”(2011年5月)

 今年の桜は、どの木も何故か色淡くボリュウム感に乏しかった。これは私の近所だけのことだったのか、それとも前年の激変する暑さ寒さの気温の影響で日本中の桜が押並べてそうだったのか。メディアは一連の震災ニュースで、そんな変化を […]

【まちなかの散歩:32】大正の中学生(2011年4月)

 世界にも未曾有のM9.0の東日本巨大地震が起きてしまった。亡くなった方々には哀悼の意を表し、負傷された方々には一日も早い回復を祈り、生活の基盤を失った方々には一刻も早い復旧を願い、この国家的な危機に我々の経験を活かして […]

【まちなかの散歩:31】代行(2011年3月)

 春3月。23日から第83回の“センバツ”(選抜高校野球大会)が始まる。大阪からは我が豊中の履正社が出場する。監督が「歴代でも一番、攻守にバランスが取れている」というチームの活躍に期待したい。そして、その甲子園で自信をつ […]

【まちなかの散歩:30】忘却とは、忘れ去ることなり(2011年2月)

 卯年になって一か月が過ぎた。2月は去るように早く過ぎるというが、今年も閏年ではないので28日までしかなく、財布の中身同様に、脱兎の如く去っていくのだろうか?  とはいえ、忘れてならないことは、あの1995年1月17日午 […]

【まちなかの散歩:29】見える仕組み、見えない仕組み(2011年1月)

 2011年。平成23年。卯年、うどし。うっとうしい。正月早々、縁起でもないと罵られそうだが、暮に買った『エコノミスト』に「閉塞感漂った2010年。3人の人物を通して見た日本社会」というタイトルの読み物があった。以下は引 […]

【まちなかの散歩:28】年の暮れ(2010年12月)

 師走・極月・12月。12月8日は「ニイタカヤマノボレ1208」の電報が択捉島(えとろふとう 千島列島南部)に集まっていた日本海軍の機動部隊に対して、連合艦隊の山本五十六司令長官から届き(12月2日)、ハワイの真珠湾に奇 […]

【まちなかの散歩:27】旅に出て(2010年11月)

【まちなかの散歩:27】旅に出て(2010年11月)  神無月を目前にした9月の末、出雲の国ならぬ広島・山口に格安パックで旅をした。  広島/安芸の宮島(厳島神社)、岩国/錦帯橋、山口/萩、秋吉台(秋芳洞)、津和野。   […]

【まちなかの散歩:26】温故知新(2010年10月)

 このコラムを書き始めたのが平成20年(2008年)9月だから、もう3年を越えて本号で43号となる。インターネットでの作業を苦にされない方なら、豊中駅前まちづくり会社のホームページを開いて頂ければ、その第1号は『過ぎ去っ […]

【まちなかの散歩:25】「公(おおやけ)」を「私(わたくし)」すべからず(2010年9月)

 手元に『都市の日本人』を書いたロナルド・ドーア氏が東京新聞・中日新聞に掲載したコラムをまとめた上記の書物がある。その「序にかえて」に次のような趣旨の文がある。  公と私。儒者が「公を私するものが国を滅ぼす」と唱えている […]

【まちなかの散歩:24】終わりではなく、始まり・はじまり(2010年8月)

 政治家達の熾烈な闘いを国民が覚めた目、迷った心で臨んだ7月の選挙が終った。果たして、この結果をどう見るか。ここでは、政治権力を握った政治家達には、いち早く国政を安定させ、地域社会を建て直し、市民が今の生活のレベルを高め […]

【まちなかの散歩:23】梅雨明け(2010年7月)

 このニュースが配布される頃は、梅雨が明けて、真夏の暑さを感じる7月である。  千里川をウォーキングしていると、かつての河川の蛇行が改修された跡を見ることがあり、昭和42年7月の集中豪雨の恐怖を伴うすごさを思い出させる。 […]

【まちなかの散歩:22】挨拶(2010年6月)

 毎年のことではあるが、箕面の山の新緑が増す頃には、“目には青葉 山ホトトギス 初ガツオ”という俳句を思い出す。今から300年も前の江戸時代に生きた山口素堂の作らしいが、“青葉”、“山ホトトギス”、“初ガツオ”と3つも季 […]

【まちなかの散歩:21】ダッチロール(2010年5月)

 桜が散って、早や1か月。華々しく宣言した民主党のマニュフェストへの期待も次々と散っていく中での連休・ゴールデンウイークである。  欧米に学んだ都市整備の理念として高く掲げた高速道路無料化の実現は、“なお道遠し”の感が強 […]

【まちなかの散歩:20】新学期(2010年4月)

 4月8日は花祭り。潅仏会(かんぶつえ)として、この日に生まれたという釈迦の誕生を祝う仏教行事である。様々な草花で飾った花御堂を作り、誕生仏の像に柄杓で甘茶をかけて祝う。この甘茶で習字をすれば上達すると言われ、甘ったるい […]

【まちなかの散歩:19】襟裳岬(2010年3月)

 春3月。大相撲・大阪場所。今場所、大いに活躍が期待される力士に蒼国来(そうこくらい)と隠岐の海(おきのうみ)がいる。二人とも豊中駅前には縁がある。豊中稲荷神社に稽古場を持つ荒汐部屋の内モンゴル出身の蒼国来、当まちづくり […]

【まちなかの散歩:18】見よ、今日も、かの蒼空に 飛行機の高くとべるを(2010年2月)

【まちなかの散歩:18】見よ、今日も、かの蒼空に 飛行機の高くとべるを(2010年2月)  貧困と孤独にさいなまれた石川啄木の詩に「飛行機」がある。1886年から1912年という短い生涯を終える前年の作品である。短い詩で […]

【まちなかの散歩:17】“市民によるまちづくり”は、捕ら(寅)ぬ狸の皮算用か?(2010年1月)

 あけましておめでとうございます。昨年は色々と皆様にお世話になりました。今年も、精一杯に努めますので、よろしくお願いいたします。  いよいよ、寅年の平成22年、西暦2010年です。タイガースの優勝が期待できるという向きも […]

【まちなかの散歩:16】野村克也の引退、森繁久弥の旅立ち(2009年12月)

 今年も師走・12月を迎えた。『まちづくりニュース』も今号で25号を数え、この巻頭コラムも「過ぎ去った甲子園、味わった豊中の暖かい心」を書き初めとして21回、甲子園球場も新しくなった。同じく『豊中駅前の歴史を振り返る』も […]

【まちなかの散歩:15】まちづくりのDNA(2009年11月)

 桐生事件で無罪が証明されることになったことで一躍有名になった「DNA鑑定」による最近の鑑定技術も極めて優れものであるが、小林一三翁、そして、翁のDNAを受け継いだ「阪急100年のまちづくり」の歴史を聞く機会があった。 […]

【まちなかの散歩:14】町にも段差のない社会(2009年10月)

 豊中駅前から北に伸びる刀根山道に、歩道代わりにと歩行者と車を区切る白線が引かれた。よく見ると運転手、歩行者ともに確かに白線を意識していることが分かる。ささやかな試みではあるが、取りあえず人の安全が意識されてきたのかとホ […]

【まちなかの散歩:13】帰省閑話(2009年9月)

 歴史的な長さとなった梅雨がようやく明けての夏休み。候補者の名前を連呼する喧騒の選挙戦の最中、猛暑を一杯に受けた盆の帰省で久方ぶりに訛なつかしい故郷に戻り、宇宙からの生還ならぬ“草いきれ”の中で“家・まちの歴史”を感じな […]

【まちなかの散歩:12】溜め(2009年8月)

 太陽と月と雷が連れ立って旅に出て、日暮れて宿に泊まる。翌朝、雷が目を覚ますと、傍に寝ていたはずの太陽と月の姿が見えない。宿の主に尋ねると、既に出発した後とか。「いやはや、月日の発つ(経つ)のは早いなぁ」「で、雷様、あな […]

【まちなかの散歩:11】ベンチャー市民の戦い(2009年7月)

 6月16日、豊中駅前の「刀根山道」に面して立地する摂津水都信用金庫・本町支店の駐車場と歩道に挟まれて「こもれびガーデン」が、リニューアルオープンした。摂津水都信用金庫の好意によって土地・工作物(ベンチ・鉢etc)が提供 […]

【まちなかの散歩:10】面と向かって(2009年6月)

 早朝のウォーキングを始めて3年になる。歩き始めた頃、挨拶をしない同好が気になり、やがて、すれ違う全ての人に声をかけることにする。犬の動きに目線が行き、愛犬との“会話”ができても、こちらの挨拶には怪訝な顔でまじまじと見つ […]

【まちなかの散歩:9】五月晴れ(2009年5月)

 今日の定員割れで大童(おおわらわ)の大学状況では想像もつかないほど受験戦争の激烈だった昔、その厳しい受験競争を勝ち抜き入学を果たした新入生が、その後5月の連休明けに目標を失って無気力に陥る事を指した「5月病」という言葉 […]

【まちなかの散歩:8】まちにオ・ア・シ・ス運動を進めませんか(2009年4月)

 春4月。新学期、新入生、新社会人、新卒業生、人事異動、転勤、転校、・・・。“♪桜のつぼみも膨らんでぇ、もう直ぐ学校うれしいなぁ、こんなに大きくなりましたぁ、先生、皆さん、ありがとう♪”と歌って保育園を卒園し、入学式を待 […]

【まちなかの散歩:7】高校野球発祥の地(2009年3月)

 今月21日(土)から開幕する第81回選抜高校野球大会は、大規模改修を終えた阪神甲子園球場で開催される。昨年のタイガースの汚名挽回とばかり10月から続いていた名物・銀傘の付け替え工事は1982年以来で新しい銀傘は以前の1 […]

【まちなかの散歩:6】いよいよ春場所!豊中駅前に荒汐部屋がやってきた(2009年2月)

 新春の初詣・とんど祭で賑わった豊中稲荷神社境内に、3月15日から始まる大阪・春場所に備えて、今月の下旬には時津風一門の荒汐部屋が土俵を作り稽古に入る。−−「まちづくりニュース」第2号(2008年10月号)で既報  荒汐 […]

【まちなかの散歩:5】一年の計は元旦にあり(2009年1月)

 明けましておめでとうございます。  牛(丑)年です。上手く背中に乗り、手抜きして来た鼠(子)にゴール直前に飛び降りて先を越されるという仏話もありますが、“セコイ”世の中ではなく、額に汗して真っ当に働く者が日の目を見られ […]

【まちなかの散歩:4】とよしん(豊中信用金庫)(2008年12月)

 この「まちづくりニュース」を発行している「豊中駅前まちづくり会社」の直ぐ近くに「摂津水都信用金庫・本町支店」がある。豊中支店ではないところがミソであるが、かつては豊中信用金庫・“とよしん”と呼ばれた地元金融機関の支店で […]

【まちなかの散歩:3】耳鼻咽喉科・歯科-噺家(はなしか)の話しか?(2008年11月)

 10年以上も前のことになるが、豊中に住み(阪大大学院研究員を兼ねる)、豊中のまちづくりを研究し、帰国後に全国各地での講演・論文を通じて「豊中のまちづくり」を紹介している韓国の文化人類学者・金賛鎬(きむ・ちゃん・ほー)先 […]

【まちなかの散歩:2】「豊中稲荷神社」を訪ねて(2008年10月)

 商店街を練って豊穣を祈る神輿で賑わう秋の大祭を前に、阪急バス停「市場前」直ぐにある整備され明るくなった豊中稲荷神社に樋口宮司を訪ね、いろいろとお話を伺った。  氏子区域を旧豊島郡新免村(現在の本町・岡上の町・玉井町・末 […]

【まちなかの散歩:1】過ぎ去った甲子園 味わった豊中の暖かい心(2008年9月)

63年前の広島もこんな暑い日であったろうかと思われる8月6日の原爆投下の日。その後も勝ち進み17年ぶりに甲子園優勝校となった地元北大阪代表・大阪桐蔭と戦い、善戦むなしく敗退した大分代表・日田林工高校からホテルアイボリーで […]