【まちなかの散歩:59】まちづくり会社の歩みと新生(2013年7月)

 今年も折り返しの月を迎えた。早いものである。暑い最中ではあるが、盆の来る前(?)に自身の内省もさることながら「まちづくり会社」の歴史を振り返っておきたい。この「まちづくりニュース」の発行元である(有)豊中駅前まちづくり会社は、平成11年(1999年)12月21日の設立であるから、今月で13年と6か月間、何とか持ちこたえていることとなる。平成5年(1993年)2月設立のまちづくり協議会が「このまちをうるおいのある、歩きやすい、住みやすい、商売のやりがいのある魅力のあるまちにしよう」として『まちづくり構想』を策定し、その事業の芽を協議会と協力して実現させようと有志の出資により「豊中駅前まちづくり会社」が設立され今日に至る。会社のホームページにあるように、上旬号・中旬号と月2回、豊中駅周辺1万世帯に新聞折り込みをしている「まちづくりニュース」は、今号で108号を数えている。

 2つの地域寄席も今ではすっかり定着してきている。当初「アイボリー寄席」と呼んだ「豊中寄席」も現在では野村証券のご厚意で会場を移して継続中で既に19回を迎えており、伏見の酒蔵を移築したという歴史的建築物の中で開催する「新免館寄席」も今月2日で16回になり“寄席弁当”が好評である。毎月開催する「アイボリーフォーラム」改め「豊中まちづくりフォーラム」も今月16日の『わが町の島、竹島を語る』で65回を迎える。

 発足の趣旨である協議会の提案した事業には十分には手が出せないでいるが、支援組織として協議会の事務局を担っている。今月14日(日)午後1時から5時まで開催される第33回七夕まつりの事務局もまちづくり会社の仕事とし、毎月1回(第2土曜日)のまちづくりワークショップをはじめとして、諸々の協議会の会合に会場を提供している。
「まちづくり会社」は、「地域商業振興事業として平成元年度に制度化され、平成2年3月、新潟県中里村で第1号の「街づくり会社」が立ち上げられたとされており、地元の中小小売業と自治体が共同出資して公益法人または会社をつくり、それに対して中小企業高度化融資を行い、地域商業の再生を図ろうとした。後のタウンマネジメント機関(TMO)の原型とも言える。」(『商業・まちづくり「口辞苑」』)のだが、豊中駅前まちづくり会社は自治体からも企業からも出資は受けておらず、「思いは高く、地位低く、手間暇かけて儲け下手、社会の隅で活動する会社」と自虐気味につぶやき社内から不平が出た逸話があるが、「“マネー”と“地面”」との闘いに、まちづくり会社の“マネージメント”も、なかなか安定期を迎えられていない。

 この間、数多くの方々からの善意に支えられてきている。寄付や協賛広告を頂戴し、ボランティアスタッフとしての日常的な働きや、大家をはじめとして経理・不動産関連の方々には格別のご厚意を頂いている。
 さらに、6月中旬から会社の前面を開放し、明るくなって会議コーナーも格段に拡げることができた。更なるボランティアスタッフ・資金の支援とともに手軽なコピー機・便利な立地の会議室の活用を期待している。今月をまちづくり会社の新生月としたい。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.108に掲載)


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