【まちなかの散歩:85】夏の思い出(2015年9月)

♪“夏がゆけば恋も終わる”と あの人は いつも言ってた リーフ・リーフ・・・・・・君にぼくの恋を語ろう♪

ご存知(?)今や老人街道を驀進する団塊世代が青年の頃に口ずさんだ舟木一夫の「高原の御嬢さん」である。この夏の「思い出」あれこれ・・・結構、重いで。
広島・長崎の原爆記念日:広島市長は国会審議中の安保法案には言及しなかった。言わずもがなとか。
終戦記念日:1945年の8月14日のポツダム宣言受諾、同15日の終戦玉音放送、9月2日の降伏文書調印、1952年のサンフランシスコ講和条約締結、これらのズレで生じた不幸な歴史を知る。
A級戦犯:処刑を免れて、今も続く戦後日本の政策決定に暗躍した人々がいることを知る。
戦後70年の首相談話:(官僚が書いた)原稿を読まずTVに向かって政治家が話した珍しい光景だったが、「あの戦争には何ら関わりのない私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに謝罪を続ける宿命を負わせてはなりません。」の発言が新たに入る。戦争の加害者が真に謝罪し反省したのか、このことで被害者の影響がもう終わってしまうのか? 満州引揚げ記『嗚呼命』が中国・大連交流の研究者の目に留まり、著者・加藤氏夫妻の招待講演の企画が関係者の間で進められている。戦争の傷は未だ消えていない。そして、政府と沖縄県との辺野古基地移転を巡る協議が続く。第4次厚木基地騒音訴訟控訴審判決がでる。これらは新たな「戦前」なのか、戦後が終わっていないことなのか?
安保法案衆議院通過:「法文を読まずに反対するな」と指摘した識者がいたが、賛成する者も条文を読んでの賛成なのか?
解釈改憲が出来ている状況があるように、法律は法文を読んで賛否が言えるほど分かり易くはない。そこに一般市民に寄り添う専門家が存在するはずである。専門性が持つ権威と市民が信頼して委ねた権力は、市民に寄り添うために使われるべきではないのか?
原発再稼働:台風11号・集中豪雨・火山爆発・地震は自然の怒りか?
TPP交渉:合意できず。
新国立競技場建設計画そして五輪のエンブレム盗作疑惑、東芝粉飾:とかく本物がなくなっている。
甲子園の夏:1915年、豊中グランドで第1回中等学校野球大会が開催され100年。豊中メモリアルパークで記念式をやって貰えばよかったろうに、残念。
国会議員定数:「10増10減」の公職選挙法改正案成立。市民意見の反映には、本当に働く代表者は多い方が良い。
第35回豊中駅前七夕まつり開催:初めて地域市民の寄付金が集まる。
そして「高原のお嬢さん」は

♪僕の恋は消えてしまった・・・せめて一度逢って聞きたい 夏の日の恋は嘘かと リーフ・リーフ・・・♪

と続く。河島英五は

♪忘れてしまいたいことや、どうしようもない寂しさに包まれて男は酒を飲むのでしょう♪

と言いつつ去ったが、戦後の民主主義・平和主義を引き継ぎ流れに抗する“青年”には「木綿のハンカチーフ」を送って貰うのがふさわしいのだろうか?

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.158に掲載)


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