【まちなかの散歩:111】スクランブル交差点の改善への歩み(2017年11月)

 豊中駅前の「スクランブル交差点」と、まちづくり協議会の改善への取組については、これまで、この「まちづくりニュース」紙上の『まちづくり掲示板』『じゃすとナウとよなか』で繰り返し掲載してきている。まちづくり協議会が発足して以来の活動の重要なテーマである。最近では、別の視点から9月中旬号『豊中駅前の歴史を振り返る』89号(9月15日発行)で『スクランブル交差点内の道標』をテーマとして取り上げている。
 去る9月29日に、豊中駅前まちづくり推進協議会の役員が、この「スクランブル交差点改良」についての責任を持つ大阪府池田土木事務所を豊中市や専門家と共に訪問している。詳しくは、まちづくり推進協議会の情報欄『まちづくり掲示板』『じゃすとナウとよなか』に委ねるが、この「スクランブル交差点改良」について、専門家に図面にしてもらった改良案を提出するための訪問であった。この提案は、地域の方々に意見を求めながら、豊中市議会の全会派(グループ)の議員、協議会の運営委員(自治会長を含む)、豊中市都市計画課が参加する会合で協議した結果を基にしたものであり、今までの説明会での住民の意見、『まちづくり構想』、『市の基本方針』および今回住民から集めた意見が反映されている。
 この地区の計画を知る知人からの情報を基に、大まかな計画・活動の歴史を整理してみる。スクランブル交差点の改良は、1976年(昭和51)豊中市と商工会議所が一体となって策定された『商業近代化地域計画』に既に構想されており、箕面街道からの車の侵入の危険を防ぎ、スムーズな往来を意図して現在よりもっと北側(箕面側)から豊高道につながるようになっている。当時から豊中駅前地区の課題だと考えられていることが分かる。
 その後、地域の活動を支援するために平成4年制定された「豊中市まちづくり条例」に基づいて「豊中駅前まちづくり協議会」が発足して、駅前地区の住民・事業者に加え、まちの施設の利用者も参加しての討論会・議論を重ねた末、“ゆっくり楽しく歩き回れるまちづくり”を基本とする『豊中駅前まちづくり構想』を策定している。その中で駅前地区の発展や住民の安全・安心の生活を阻害して快適な生活を損ねているのも道路の状態だとして地区全体の道路計画を構想しており、豊中市は『豊中市のまちづくり基本方針』を作成している。
 さらに2000年(平成12)には、国・府・市・警察のバックアップのもとに、バス・タクシー会社の協力を得て、まちづくり協議会・商店街・自治会らが4日間にわたる「交通社会実験」を行っている。銀座通りにはバス以外を大池小学校に回し、刀根山通りを全面的に歩行者天国にした試みであった。大池小学校前側の道が国道176号に突き当たる箇所を通って阪急の高架下までを結ぶ「南吉野線の延伸」の実現をも計画・実現を想定した実験だった。
 今年で37回を迎えた「七夕まつり」は、現在では、わずかな時間ではあるが将来の日常的な「歩行者天国」を体験して貰う機会であり、交通量調査をはじめとする「歩行者天国」実施の課題を専門家や大学の協力を得て行ってきている。“まちの当事者”として自分たちの足元を見据えた今回の動きを支援しつつ、地域の住民が待望する豊中駅前地区の交通問題の改善の日が早まることを期待したい。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.206に掲載)


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