【まちなかの散歩:93】豊中まちづくりフォーラム100回開催を前に(2016年5月)

 (有)豊中駅前まちづくり会社が毎月開催している「豊中まちづくりフォーラム」が、来月の6月21日で100回を迎える。このフォーラムは、毎月の上旬・中旬に発行している本紙「豊中まちづくりニュース」や3か月毎に野村証券豊中支店のホールを借りて開催する「豊中寄席」とともに、現在の「まちづくり会社」の主要な事業の一つである。かつて豊中駅前まちづくり協議会(現・豊中駅前まちづくり「推進」協議会)に加わった地域住民が長年にわたって議論を重ねた末に策定した地域の将来像は『豊中駅前まちづくり構想』としてまとめられた。それを実現するために設立された「まちづくり会社」は、未だ“よちよち歩き”あるいは、”ふらふら歩き“をしているが、それでも、このまちづくりフォーラムは100回を迎えている。実に9年間続けていることになる。「おぎゃ~」と生まれた赤ん坊も小学生になっている。それにしては、このフォーラムの成果は、じっくりと時間をかけて病を治す漢方薬よりも効き目が遅いと忸怩たる思いである。
「幻の豊中まちづくりフォーラム」もあるのだが、2007年(平成19年)10月から、まちづくり会社として開催しポスターを掲げて公開講演会としてからは100回となる。ホテルアイボリーがその意義を汲んで会場を提供して下さって始めたため、「アイボリーフォーラム」と銘打って2012年(平成24年)5月まで開催してきた。翌6月から諸般の事情により会場を変更し、摂津水都信用金庫のお世話になり、現在の北おおさか信用金庫本町支店研修室・チャオパルコ(豊中駅前マストメゾン1階)を会場としてお借りして継続してきている。駅前に手ごろな会場がない中、大変に有難い。
 かつては、宿泊をして出席(会場で議論の輪に入る気持ちをもって来て下さるから「参加」でなくして「出席」と呼ぶのだが)下さった方も少なくなく、今も遠く、小野、三田、河内長野、京都・奈良からも足を伸ばして下さっている。その一方で、足元の豊中駅前地域の方々には、まだまだ少し縁遠い存在であることが悔しい。月2回新聞折り込みで発行するこの「まちづくりニュース」の紙面、豊中駅前まちづくり会社のホームページや豊中駅の人工広場の掲示版、北おおさか信用金庫本町支店横の掲示板や銀座商店街にある経営規模に相応しい小さなまちづくり会社の事務所の店頭にもポスターで案内しているのだが・・・ 細やかな「フォーラム」が単に継続するだけでなく、「フォーラム」での議論を契機として個性豊かな出席者の「ネットワーク」ができ、持続的な関係性の中で社会の世論を形成していく一つの核となるならば、この豊中駅前を「まちに住む人、商売や事業をする人」「まちを舞台に活動する人」が進めていく社会を作ろうという考えのもとに活動している者にとって無上の喜びになる、そんなことを夢見ている。
 ちなみに100回目は『歴史から何を学ぶか?』をテーマに『豪商たちの時代~徳川三百年は「あきんど」が創った~』の著者であり、『近代大阪の精神』を日本経済新聞に連載した元・日本経済新聞編集委員の脇本祐一氏を招く。必ずや出席者の期待に添うことができると信じている。
あぁ、今回は100回ならぬ、百戒の思いを書き綴ってしまった感がする。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.173に掲載)


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