【まちなかの散歩:108】愛の反対語は憎しみではなく無関心である(2017年8月)
インドで貧困と病気で苦しんでいる人々に愛の手を差し伸べたマザーテレサが語ったとされる言葉である。苦しむ者に関わりを持たずに傍観者であることが愛の対極にあるという。
豊中駅前地区の恒例の七夕まつりが今年も“こども”をテーマに盛大に開催された。近隣の小学校・幼稚園への働きかけが功を奏してか、こども連れの地域の方々が沢山参加された。まつりの裏方を担ったのも、かつては、そうやって親や祖父母に手を引いて貰って店々を歩いた思い出の持ち主である。開催に挫けそうになった頃もあったが、この37年の歴史は大きい。
そんな中、まちづくり会社が担当したのは「折り紙教室」と「豊中検定」であった。講師は、本職がまちづくりコンサルタントとして著名な方であり告知を知った知人らは、まさか彼女が「折り紙マイスター」になっているとはという声が寄せられていた。阪神淡路大震災から22年、東日本大震災から6年が経つが、阪神淡路大震災ではコンサルタントとして地元住民と共に復興まちづくりに活躍され、東日本大震災では「東日本大震災・暮らしサポート隊」を結成、神戸で被災地からの避難者に添って「みちのく談話室」を設けて活動を継続されてきた。彼女の活動は引き続き辺野古新基地建設反対支援に現地に行き「浪江町、南相馬市、飯館村を巡るツアー」を企画・引率するという。あの子どもへの優しさに隠されたエネルギッシュな行動の方である。
さて、過日、訪問した福島県双葉郡富岡町で事故後の復旧事業を担当する県土木事務所現地責任者の知人から届いたメールを紹介したい。
ご丁寧な御礼ありがとうございました。本日、手元に『豊中まちづくり物語~行政参加と支援のまちづくり』が届きました。大変興味深く、これからのまちづくりに大いに参考になるものと感じています。双葉郡のまちづくりの再構築はこれからです。その基本となるのが人との繋がりであると思っています。原子力災害によって切れてしまった糸を従前のように太く紡ぎながら、笑顔で暮らせるまちづくりができたらと思っています。戻ってきた土地で、あるいは避難先の土地で、それぞれに置かれた状況は、あまりにも変わってしまいましたが、故郷に住んでいた記憶と誇りを持ち続けられるように微力ながら支援していきたいと思っています。ありがとうございました。
《土木部復興理念》
- 復旧・復興を成し遂げること、それが私たちの「使命」
- 山積する課題に立ち向かうこと、それが私たちの「挑戦」
- 子供たちの未来を切り拓くこと、それが私たちの「責任」
- ふくしま復興の軌跡を残すこと、それが私たちの「誇り」
※お知らせ
公共土木施設の復旧・復興情報:http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/dobokufukkou-top.html
この2人の活動を知るにつれても、社会の問題を自分事として捉え、思いやりと責任感を持つ社会の姿を世界に示したいものである。
(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.201に掲載)
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