【まちなかの散歩:107】素朴な疑問(2017年7月)

 このコラムを掲載した「まちづくりニュース」が皆様の家庭に届く頃、恒例の豊中駅前の七夕まつりが目前である。豊中駅前まちづくり会社は、かつて好評であった「豊中検定」に加えて「折り紙教室」を企画している。このイベントに参加した子ども達が家族に読んで貰った絵本や伝記を次の世代に引き継ぐ「子ども本」リサイクルも今後は呼びかけたい。いずれも現在の豊中を“夢と希望のある町”として受け止め、未来の豊中・世界を背負ってくれる人物になって欲しいという夢を託したいからである。
さて、そんな純な子供たちから問われて答に自信のない疑問がいくつかある。

  • ○新幹線や地下鉄を止めなければならないほど我が国に危機が迫っているのに、役人の書いたメモを棒読みする防衛大臣を何故留任させているのだろうか?5月の連休にも外遊していたという報道もあったが、それで防衛は大丈夫なのか? オバマ大統領が広島を訪問した時、直ぐ傍に核のボタンが入ったアタッシュケースを持つ男がいた。危機管理とはそういうものだろうが、日本の歴代一位となる外遊回数を持つ我が国のリーダーも平和外交の必要性はあるとはいえ、一触即発の危機の中、そんなに国を空けていて良いものだろうか?
  • ○トランプ米大統領がサウジアラビアに12兆円相当の武器を売ったという。英国のEU離脱や仏大統領選挙の接戦も、シリア難民問題が原因とされている。2200万人の人口の内400万人が命がけで自国を捨てて欧州諸国をめざしながら入国を拒否されている。そもそも、シリア内戦に武器を売っていたのは米・英・仏・トルコなどではないのか?
  • ○中国にとり日本は米国に次ぐ2番目の貿易相手国(輸出相手国は1位米国に次ぐ2位。輸入相手国は、1位韓国、2位米国に次ぐ3位〈国海関総署統計〉)と自国の経済を支えてくれている日本を中国が本気で北朝鮮に攻撃させるか?
  • ○豊中市選出の政治家が森友学園問題で金銭授受を疑われての取材に、笑いながら「残念ながら貰っていません」と答えていたが、それがなぜ“残念なこと”なのか? 一躍、豊中市を有名にし、「町中には大量のゴミが地下に埋まっていて国から多額の補助金を貰って土地を買っている自治体」という印象を植え付けられた森友問題の真相はどうなのか?豊中市議会も国レベルで多数派となる政治集団に取り囲まれて行政運営の透明感が疑われているのではないか?
  • ○いろいろな疑惑が出ているのに、その事実を確認すべき当事者を呼ばず一方的に判断する手法は、ホームルーム・学級会でも良くないと教えられているのではないか?そして、こんな素朴な疑問を明らかにしない政府に受け皿がないという相対的な評価ではなく、絶対的にも国民の支持が高いというのはなぜなのか?

 G7で「保護主義と闘う」を明記とか。我が国の利権集団への保護主義も払拭しないと子どもに笑われる。かつて“球界の紳士たれ”と自らに厳しさを課しV9を果たした強力チームは、その後権力や金に物を言わせて選手の育成を怠ってきた結果、選手の誇りを奪い去り、ここ数年は苦戦を強いられている。心したいものである。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.199に掲載)


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