【まちなかの散歩:26】温故知新(2010年10月)

 このコラムを書き始めたのが平成20年(2008年)9月だから、もう3年を越えて本号で43号となる。インターネットでの作業を苦にされない方なら、豊中駅前まちづくり会社のホームページを開いて頂ければ、その第1号は『過ぎ去った甲子園 味わった豊中の暖かい心』だったことが分って頂ける。ホテルアイボリーに投宿した(春秋ともに甲子園大会に出場する大分県勢はアイボリーを定宿としている)大分県の日田林工高校が、地元大阪桐蔭高校との闘いに善戦して帰郷する際にボランティア記者が取材した情報から、日田の町の紹介、豊中への印象を記事にしたものである。
 この会社は、1999年12月に、まちづくりに必要な事業を「まちに住む人」「商売や事業をする人」「まちを舞台に活動する人」が進めていく社会を作ろうという考えのもとに、豊中駅前まちづくり協議会の有志と、活動の賛同者が出資者となって始められた。その後、活動を維持するために各種の広告料・入場料・手数料を頂きながら、数多くのボランティアで支えて下さる方々の善意に寄りかかって活動が続けられている。したがって、形式的には法人として会社であるが、役員もボランティアであり、イベントの都度、協力してくれるスタッフも、企画会議に集まるメンバーも手弁当である。合言葉は、唯一つ、青臭く“まちのために”である。

 そして、豊中駅前に10000部を配布するこの「まちづくりニュース」の発行、「アイボリーフォーラム」「アイボリー寄席」という催事、各種教室の会議室貸し、簡易印刷業、8円コピー、そしてまちづくり推進協議会の事務局業務・・・。ささやかながらも、まちなかで欠かせない存在になるため、エネルギーを燃やし続けています。そして、協力くださる方々に心から感謝です。
 このたび、このまちづくりニュースに連載の『豊中駅前の歴史を振り返る』とこのコラム集『まちなか散歩』を発行しました。是非、ご覧下さい。まちづくり会社の事務所に準備しております。まちの先輩から聞き取ったまちへの思いが、まちづくりの支えにもなり、会社の経営基盤の支えにもなります。
 日本一の気温を記録した今年の豊中の夏でしたが、これからは、この熱をまちを育てる情熱として、燃やしていきたいものです。ご支援をよろしくお願いします。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.44に掲載)


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