【まちなかの散歩:120】どないせいちゅうねん!(2018年8月)

 開催が危ぶまれた七夕まつりも市民の期待に応えて無事に終わり、まちは2か月前に起きた地震や豪雨があったことも嘘のように夏休みを迎えている。23年前の阪神大震災よりも大きな震度だったが、災害を教訓に都市施設や住宅に先行投資・整備できた都市が大きな災害から免れている。そして、各地の豪雨災害が報じられる中、自治体財政の困窮を救済する方法として水道事業の民営化が国会で成立したという。水は最後の生命維持線(ライフライン)として行政責任とされ、かつて我が庄内地区で急増する違法住宅の乱立に手を焼いた時の市長が水道供給制限の手法を用いたが最高裁で認められなかったと聞く。今回の法改正でそれまでも民間に任せるという。
 次は、交通指導もそうなるのだろうか?ここに掲載する3枚の写真がある。既に気が付いている読者もあると思うが、1枚目は、豊高道で、間もなくスクランブル交差点という地点にある豊中市と警察が掲示者、2枚目が、そのスクランブル交差点を渡った銀座商店街に入った地点にある豊中市が掲示者、さらに3枚目が銀座商店街の中程でPTAや自治会の掲示である。クイズではない。自転車は、いったい、「どこをどのように通れ」といっているのだろうか?
 この矛盾を問い質された行政担当者は「車道での事故が増えているから歩道を走ってもらいたい」「法の不備だ。解決法は地元に任せる」などと平然と言ってはばからないとか。地元に任せるなら、『自転車は、歩道を押して歩こう』が地元の提言である。行政は、市民の安全への視点で考え、限られた条件下での最善の方法を示すのが責務ではないのか。行政としての責任感が完全に欠如していると言わざるを得ない。
 まちづくり協議会は、今春の総会でスクランブル交差点の改善と自転車走行の指導を2大重点事業と位置付けている。真剣に取り組むつもりであれば市民をどう「指導」するのだろうか?
 折角、七夕まつりの準備から開催までの過程を経て、新旧住民が交流し築き上げようとしている地域社会をバラバラにし混乱させることになる。「まちづくり」は「ごっこ」ではない。
 このニュースが発行されるまでに改善されていることを切実に期待している。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.219に掲載)


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