【まちなかの散歩:101】酉年を迎えて(2017年1月)
【まちなかの散歩:101】酉年を迎えて(2017年1月)
新年明けましておめでとうございます。旧年中は、(有)豊中駅前まちづくり会社の活動に、ご理解・ご支援を賜りまして厚く御礼申し上げます。お蔭様で、この「まちづくりニュース」を通じての「豊中寄席」、「豊中まちづくりフォーラム」、更には春・秋のバス・ツアー等のイベントも町なかに浸透してきたと自負できるまでになりました。ありがとうございます。本年も地域社会への貢献に微力ながらも一生懸命に務めますので変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。
申(さる)が去って酉(とり)がきて来年は戌(いぬ)が来る。ここで、かつて評論家・扇谷正造が解説したという『桃太郎』にまつわる話。キビ団子を貰う代わりに家来となって鬼退治に出かけた3匹の動物が猿(申)・雉(酉)・犬(戌)であり、それぞれが企画力・情報収集力・行動力を象徴しており、その総合された力を駆使して桃太郎は鬼退治に成功したという。
ところで、その優れた情報収集力で集めた情報も活用しなくては役に立たない。昨春の「豊中駅前まちづくり推進協議会」の総会で決定された事業計画では、会員確保と並んで“正しい自転車走行”の徹底が取り上げられて協議会も啓発している。歩道を自転車が通行すると歩行者には危険極まりなく莫大な損害賠償を支払う例が後を絶たないが、長年の習慣と車道が危険という理由で、道路交通法改正後も“車である”自転車の歩道走行は後を絶たない。警察もかつて車の増加に対応して自転車を歩道に上がるよう指導した手前、厳しく規制がし難いのだとか。いやはや。
道路交通法の改正を知らないのか、自転車が法律上は“車である”を含めて知っていて無視しているのか。3匹の猿のように“見ざる・言わざる・聞かざる”で、見て見ぬふりをして常時厳しく注意しない警察、注意を聞かない自転車乗り、これでは怪我人が出ない方が不思議である。知人が「車道を走らせる法律は自転車に危険だ、歩道を拡げるべきだ」と烈火のごとく怒った。地球環境から自転車利用を進めていたはずだが、道路の拡幅をあっさりと諦めた行政は何をすべきか。車が危ないなら欧米では実践されていると聞く“町中では車の速度を落とす”。歩道整備が出来ないなら、そういうルールを確立させてきっちり守らせる。市民の安全・安心・環境を守る市民との協働に取り組むべきではないのだろうか。ホテルアイボリーを圧迫する森昌子らを呼べる市民会館も良いが、道路拡幅を諦めて歩道整備も出来ないなら人間と地球環境を守るルールを社会的共通資本とするまちの整備で先進都市となることを期待したい。
(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.188に掲載)
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