【まちなかの散歩:5】一年の計は元旦にあり(2009年1月)

 明けましておめでとうございます。
 牛(丑)年です。上手く背中に乗り、手抜きして来た鼠(子)にゴール直前に飛び降りて先を越されるという仏話もありますが、“セコイ”世の中ではなく、額に汗して真っ当に働く者が日の目を見られる社会でありたいものです。
 さて“一年の計は元旦にあり”と言い、さらに“一年の計は穀(こく)を樹(う)うるに如(し)くはなし、十年の計は木を樹うるに如くはなし、終身の計は人を樹うるにしくはなし。”として「一年で何かをするならば穀物を植えるのがよい、十年なら木を植えるとよい、一生をかけるなら人の育成がもっともよい。」と諭されます。一方、静岡県掛川市の榛村純一市長は、かつて「同じ投資をするなら、親を捨てて東京に出て行き帰って来ない我が子にではなく、まちに投資をすれば息子は仕事を見つけて居つくか、一旦まちを出ても親元に帰ってくる。」と喝破しております。
 この度、大阪・中之島を東西に貫く京阪電車の中之島新線が、昨年10月19日に開通しました。総事業費1、500億円の10年後の経済効果は3、600億円以上とか。近年のマンション・ビル建設など同地区での再開発事業への建設投資を含めると1兆2、500億円にもなるといいます。何十年もかけて効果を考える息の長いまちづくりにも改めて思いを馳せる年頭でした。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.5に掲載)


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