【まちなかの散歩:119】みんなが支える七夕まつり(2018年7月)

 豊中駅前の夏の風物詩『七夕まつり』が今年も開催される。詳しくは本紙の別の欄に譲るが、第38回目の七夕まつりは8回の準備会を経ていよいよ本番である。
 この間の裏方が準備に向けて費やしたエネルギーは多大で、まさに“人知れず”ではあるが“地域を愛する老若男女”、古くからの住民に新たな住民メンバーを交え、それぞれの知恵・人脈・情報を駆使して計画を練り、関係機関・関係者への許可・協力を取り付け、資金・機材を調達し、出店希望者を募り今日の七夕まつりに相応しい出店の選抜に漕ぎ着けた。乞うご期待である。
 現在、自治会や街角の掲示板・各店頭に貼付されているポスターの表面下欄に実行委員会の団体・組織名が掲載されている。社会福祉協議会、公民分館、青年協議会、商店会、自治会、防犯協会、まちづくり推進協議会、新免豊鼓会、小売商業団体連合会、看景寺であり、「まちづくり会社」も加わっている。“他人のために汗をかく”面々である。
 38年の七夕まつりの立ち上げの尽力者として一番街の松浦氏(クッキー屋kiriyaの親父さん)、銀座通りの西村氏(富士カメラの親父さん)をご健在の功労者として忘れてはならない。今日の盛会はお二人を初めとする先人たちのお蔭である。改めて謝意を表したい。
 客へのご愛顧に応える“商業者が支える七夕まつり”が地域小売業の衰退と人材不足で担い手を失い中止の声が上がった時に“幼い頃に親や爺婆に手を引かれて”参加した“中年となった若者”が再興を主張し、地域の子どものための“市民が支える七夕まつり”と転換させ、他方で夕方からの開催が暴れる若者の場・警察沙汰になり、昼の開催へと与儀なくされたことも手伝い、“子供向けのまつり”へと転換する好機となった。
 今年は市民発案のキャッチコピーとデザインを貼った募金箱が各店舗・施設に置かれ、願いを込めた短冊と共にまつりを盛り上げ、“七夕まつりを支える浄財”をまちの方々に期待している。当日のゴミ箱にスポンサーを募っているのも涙ぐましい工夫・努力である。
 また、久々に「七夕まつりに関するアンケート」を取る。七夕まつりは“住みよいまち”を目指すが、それには単に年一回の「歩行者天国」ではなく、毎日を歩行者天国にするにはどうすればよいかを考える。4日間にわたる「交通社会実験」の経験を持ち、スクランブル交差点の改善策を考えてきて、6月の「豊中駅前まちづくり推進協議会」総会でも土井健司教授(阪大)が提起された「駅前の道路交通網の基本的見直し」を考える市民の意見聴取の機会としてとらえたい。
 まちづくり会社も、昨年同様に「折り紙教室」・「豊中検定」を開催、七夕まつりが構想する「子どものために安心して遊べる場所」を提供する。
“住み、働き、学ぶ”。駅前地域の毎日を子どもも大人も安心して遊び、集い、利用できる場所にしていきたい。そんな思いを参加者が集って星に願い・誓う7月8日にしたいものである。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.218に掲載)


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