【フォーラム:100】歴史から何を学ぶか(2016年6月)

第100回豊中まちづくりフォーラム

□日時:2016年6月21日(火)18時30分から
□会場:豊中駅前北おおさか信金チャオパルコ研修室
□テーマ:歴史から何を学ぶか
□講師:脇本祐一氏(元・日本経済新聞編集委員)

■講演概要

歴史の意味とは、過去が現在に何を語っているか、それを措いてほかにない。過去を正しく評価しなければ現在を間違え、未来も見えてこない。過去を回復しないかぎり、未来は拓けないのである。
今日の混迷や閉塞感は、こうした“歴史体験力”が私たちに欠けていることに原因があるといっていい。
と、小難しい能書きはさておき、経験的に歴史に学ぼうとすれば、心躍るような楽しい時間がもてる。
たとえば貨幣制度のはじまりは近世江戸期にあるが、貨幣史を旅すれば足利義満の中国土下座外交や平清盛の構想した海洋国家像が見えてくる。
沖縄の普天間問題も「外圧」という観点で考えると、戦後体制から明治維新、さらには七世紀半ばの律令国家と同じ脈絡にあるといえる。
歴史とは人間の経験の蓄積であって、その経験に学び、それを生かすことは、混迷を深める現代だからこそ意味があるように思う。

■講師プロフィール

大阪市出身。1970年日本経済新聞社入社。経済・文化・都市問題を担当。編集委員を経て2010年末に退職。著書に『まちが動いた~ベンチャー市民の闘い』(学芸出版社)『阪神大震災記者の見た300万人の軌跡』(創元社)『豪商たちの時代~徳川300年は「あきんど」がつくった』(日本経済新聞社)、『近代大阪の精神』日本経済新聞連載)等