【若葉マークの車いす生活:12】楽しみと危険は隣り合わせ?(2018年11月)

※高齢化、怪我・病で余儀なくされる車いす生活。その不安を抱えながら過ごす友人H氏による、古希を迎えて味わう貴重な車いす初体験談。


楽しみと危険は隣り合わせ?

 一定の体力のある高齢者や障がい者にとって、電動車いすで外出できるのは本当に有難い。
 松葉づえ生活を送ってきた身には、健常者の人が歩く速度で自由に移動できるのは別世界に入ったようだった。
“電動車いす”といっても様々な車種がある。最近では、あまり“車いす”然とした感じでなくグッドデザイン賞を受賞したものもある。通りすがりの人が「お、カッコいいな!」と振り返るのが楽しみで、この車いすでグランフロントにウインドショッピングに出かけられる方がおられるという。
 ただ、車いすには、構造上、路面が悪い時のガタツキや、段差、個料に弱いところが共通してあるように思う。特に点字ブロックでは、ハンドルが取られて危険な思いをするのが日常だ。最近も、点字ブロックが原因で電車のホームから線路に転落された方がいたと聞いた。共生社会の難しさである。
 この時代、もっと改良、開発が進んで欲しいと切に思う。
 でも、昔の職場仲間との定期的会合に出席するため、電車に乗る練習を幾度も繰り返し、一人で出かけられるようになった90歳の方がおられるという。素晴らしい車いす先輩だ。やはり、電動車いす万歳!

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.222に掲載)


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