【若葉マークの車いす生活:10】大阪北部地震に思う(2018年9月)
※高齢化、怪我・病で余儀なくされる車いす生活。その不安を抱えながら過ごす友人H氏による、古希を迎えて味わう貴重な車いす初体験談。
大阪北部地震に思う
地震、豪雨、猛暑、逆走台風とこれまでに経験のない自然災害が頻発している。被災された方々の現実はTV報道などでは窺い知れない大変なものがあるだろう。
大阪北部地震では、幸い我が団地は大した被害はなかったが、停止したエレベーターの復旧には夜9時過ぎまでかかった。管理組合は、一人暮らしなどで不安な方のために共用棟の会議室を避難所として開設した。
今回避難の必要はなかった。また、我が家では一応数日分の非常食と飲料水の備蓄をしてはいる。しかし、このレベルでは済まない問題が災害時には発生するだろうと改めて認識した。
わが電動車いす生活ではエレベーターが停止すれば、管理棟の避難所までさえ行けない。また、避難所に行っても、車いすが無ければ自分一人でトイレにも行けない。障がい者、高齢者は災害発生時には身の処し方すべてを他の人にお願いしなければならなくなる。そういう生活は、被介助者には相当の精神的ストレスが発生するだろう。自分は、これまで随分肩肘張って生きてきたように思う。避難所で素直に人の厚意に甘えることができるのだろうか。迷惑をかけないというのはどういうことだろう。心構えというのは随分難しそうだ。
(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.220に掲載)
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