【若葉マークの車いす生活:19】電動車いすは急には止まれない(2019年6月)

※高齢化、怪我・病で余儀なくされる車いす生活。その不安を抱えながら過ごす友人H氏による、古希を迎えて味わう貴重な車いす初体験談。


電動車いすは急には止まれない

 電動車いす操作での危険は、傾斜や点字ブロックなどでハンドルを取られることに限らない。急な停止や旋回ができないことでも生じる。
 電動車いすの操作はジョイスティックなどで行うが、操作してから車いすが反応するまでのタイムラグによるものがある。急に前に飛び出された場合でも、停止に戻しても何がしかの距離はそのまま進む。自動車の制動距離である。今乗っている車体では最高速度(6km)の場合50cm程は止まらない。
 また、左右に舵を切る場合、一定の距離を進んでから車体は反応する。その間、危険な方向にそのまま進むから、さらに切り続けてしまう。1、2秒して急に切り過ぎた方向に進みだすから、今度は慌てて反対方向に思い切り切ってしまう。狼狽してこれを繰り返すので、車いすはコントロール不能の状態で大きく左右に蛇行する。
事故に直結する動きだ。
 低速では、このようなことは少ないが、反面、人の流れに逆らってあまりゆっくり進むと迷惑をかけるうえ、かえって危ないこともある。
 今乗っている車種ではレスポンスを3段階で切り替えられるので、反応を速くしてもらった。だが、新しい性能に慣れる必要がある。また、若葉マークに舞い戻り戻りだ。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.229に掲載)


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