【若葉マークの車いす生活:17】車いすの乗り心地(2019年4月)
※高齢化、怪我・病で余儀なくされる車いす生活。その不安を抱えながら過ごす友人H氏による、古希を迎えて味わう貴重な車いす初体験談。
車いすの乗り心地
車いす生活の最初の感想の一つは、「外出時の車いすの乗り心地は意外に悪い」だった。転倒して腰椎にヒビが入った我身を、息子が普通に歩く速度で車いすの介助してくれていた時のこと。路面の舗装が悪い場所にさしかかるとガタガタと振動し、腰椎に情け容赦なく響いた。慌ててスピードを落としてくれと頼んだ。車いすの後輪は自転車のような空気タイヤでも、前輪は小口径の硬質ゴムタイヤ。これのクッションが悪い。その後、電動車いす生活となったが、普通の車いすに動力装置を取り付けた「簡易型」だったので、路面の状態を見ながら、恐る恐るスピードを調節するしかないと悟った。
今は車種を変更して、介助機能はないが、機能的で自立的に動きやすい車種を利用している。しかし、この車種も、前後輪とも硬質ゴムのパンクレス車輪なので、スピードを上げると(最高6km)、衝撃は強烈だ。
悪路といえない、タイル目状に筋を入れている優良歩道ですら相当厳しい衝撃がある。
分厚い座布団を敷いてみたが、それほど改善はなく、重心が上がり不安定になる。上手い対策をまだ見つけられない。
ふと思った。幼児のベビーカーの乗り心地はどうなのだろう。あれも、車輪は小さく硬く、ガタガタ音がしている。
(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.227に掲載)
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