【まちなかの散歩:121】秋来ぬと目にはさやかに見えねども(2018年9月)

 繰り返す大きな地震、危険な長びく豪雨、延々と続く酷暑と、街だけでなく心身をも痛めつける気候変動が続いて9月に至っている。身内や知り合いが被害に遭われた方々には謹んでお見舞い申し上げ、本『豊中駅前まちづくりニュース』がお手元に届く頃には、気候だけでもいつもの穏やかな初秋を迎えられていることを心から祈っている。
 さて、秋といえば恒例の豊中駅前まちづくり会社(本「まちづくりニュース」を発行している会社)が毎年主催する「丹波黒豆刈りの丹波ツアー」の季節でもある。今回は10月15日(月)に開催する。自然栽培畑での「丹波黒豆刈り」と好評の昼食会場「ユニトピアささやま」に加わる訪問先として、足を北に伸ばし京都府福知山市の「福知山城」、同じく綾部市の「グンゼ博物苑」見学を企画中である。
 福知山城は、2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公・明智光秀が築城し、領地に善政を引いたといわれる城である。仁のある政治を行う名君が誕生したとき、麒麟が来るという『礼記』にある謂われに因んでいるのだろうか?本能寺の変で主君を殺害した逆臣としての評価とは別の側面を城の資料で紐解き、平和に暮らせる世をつくってくれる名君の誕生を祈願することも出来まいか。
 綾部の「グンゼ博物苑」は、お馴染みの肌着や靴下の会社の創業の地であり、大阪市に本社を置いてもなお登記上の本社地にある「グンゼ」の歩みを「繭蔵」を再活用して展示する数々の館で識ることができる。社名の「グンゼ」は創業時の社名「郡是製絲株式會社」に由来し、「郡の是」とは国の方針である国是、会社の方針である社是のように、創業地の地場産業である蚕糸業を郡(地域)を挙げて振興・推進していこうという精神で起業されたという歴史も堪能できる。
 さらに道中、時間があれば、春日局(幼名;福、徳川3代将軍家光の乳母)の生誕地・丹波市春日町の興禅寺を訪ねてみたい。明智光秀の家臣として領地を与えられていた父・斉藤利三の居城・黒井城の麓(興禅寺)で生まれている。近くには、好評の地元産の野菜・酒・菓子・調味料など土産も豊富な道の駅『丹波おばあちゃんの里』でどっさりと買い物を楽しんで貰おうと構想している。今回は視聴率低調なNHKの番組宣伝のようになってしまったが、次号でも懲りずに『豊中駅前まち歩き』(10月27日(土)・28日(日))のお知らせをしたい。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.220に掲載)


※まちなかの散歩のバックナンバーはこちらをご覧ください。