【豊中駅前の歴史:108】まちづくり会社事務所の変遷を振り返る(2020年5月)

有限会社豊中駅前まちづくり会社は平成12年(2000年)10月に現在の銀座通りにあった文房具店跡の空き店舗に開設しました。まちの活性化や豊中駅前のまちづくりに役立てたいと考え、家主さんのご理解を得て賃貸契約を結び、壁塗り、ペンキ塗り、天井張りなどの内装工事はまちづくり協議会で活動する仲間や支援者、まちの方々などの協力ですべて手作りで行いました。
開設当初は名称を「わくわくステーション」とし、物品販売や共同駐車券の販売などを行い、文化教室・パソコン教室を開催し、低価格のコピーサービスや商言の少部数のチラシ印刷などをしていました。その後名称を「工房&CAFE B♭(びーふらっと)」と変え、手作り作品の展示販売やものづくり教室、音楽を聞きながらのカフェなど、駅前から文化を発信する場としてリニューアルしました。
平成12年は阪急宝塚線の曽根一蛍池間の高架化が完了した年です。豊中駅前では「交通社会実験」(本紙VOL.227/2019年4月号:歴史シリーズ第103回「豊中駅前交通実験」掲載)が実施され、地域住民と豊中市が協働して、駅前の交通問題の解決のため協議が頻繁に行われるなど駅前のまちづくりが大きく動いた年です。
「豊中駅前七夕まつり」や「豊中駅前サウンドアクション」(2001年)なども各所で開催され、駅前が今より活気がありました。一方、『豊中駅前まちづくり構想』で検討されていた「南のプラザ」と呼ばれる旧新開地ビルを含むスクランブル交差点から三井住友銀行までの三角地街区の再開発計画は頓挫し、新開地ビルと商業者の将来を考え、新開地市場のリニューアルが検討されていたのもこの頃です。現在はマストメゾンに建て替わっています。
平成20年(2008年)、多くの支援者の協力を得て、駅前の活性化やまちづくりの拠点として運営してまいりました。レンタルスペースでは、あるべき社会やまちづくりの本質を真剣に考える大学や塾が定期的に開催され、文化教室を通しての人の交流の場を提供し、豊中駅前まちづくり推進協議会の事務所として運営委員会や市との協議が行われ、七夕まつりの会議の場でもありました。
この度、20年の間、多くの方々からご支援をいただいてきたにもかかわらず、やむなく事務所を閉鎖することになりました。


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