【若葉マークの車いす生活:16】車いすは極寒の寒(2019年3月)

※高齢化、怪我・病で余儀なくされる車いす生活。その不安を抱えながら過ごす友人H氏による、古希を迎えて味わう貴重な車いす初体験談。


車いすは極寒の寒さ

 冬、車いす利用者は外出時に防寒のため、ひざ掛けは勿論、首から足首まですっぽり分厚い布等で被っている方も多い。以前、松葉杖歩行をしていた頃も見かけた。松葉杖歩行は結構ハードワークである。雪がちらつくような日でも、数百mも歩くと、身体は汗ばむほど暑くなり、コートの前ボタンをはずしたものだ。そんな時、厳重防寒対策姿の車いす利用者にすれ違うと、正直、大げさに思えたものだった。
 だが、自分が実際に車いすに乗ってみると、冬の寒さは想像を超えた。考えてみれば当然だ。屋外でじっと椅子に座って寒風にさらされているのと同じことなのだから。更に、移動する分、風当たりが増し、体感温度は低下する。足元はじんじん冷え、手先も電動の操作のためポケットに入れられない。ひざ掛け毛布も風が突き抜ける。見栄も外聞もない、ともかく保温と風よけを工夫しなければ・・・。しかし、分厚いものは身動きが取れなくなる。なるべくコストはかけたくない。虫の良い願いはいつものこと。たまたま家にあった、アルミをコーティングした防災用品の保温シートを、ひざ掛けの裏に当ててみた。結構、効果があった。これでしばらく頑張ってみよう。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.226に掲載)


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