【若葉マークの車いす生活:15】家のバリアフリー化(2019年2月)
※高齢化、怪我・病で余儀なくされる車いす生活。その不安を抱えながら過ごす友人H氏による、古希を迎えて味わう貴重な車いす初体験談。
家のバリアフリー化
我が家は環境こそ良いが、何しろ古い団地。最近のマンションと異なり、玄関、廊下、風呂場、洗面所各部屋間にそれぞれ段差や敷居がある。車いすに乗ったままでは、玄関の出入りも、室内での移動も不可能だ。我が身の状態では、室内での生活が車いすとなる日もそう遠くないだろう。
よし、リフォームだ!40年弱の労働の果実、なけなしの老後資金を“使うのは今でしょ!
しかし、工事費の見積もりに目を見張る。障害を考慮した床をフラットにするバリアフリー化には、全体の味を嵩上げして張替え、風呂、トイレのユニットを新しく交換し、壁、ドア・クローゼット扉なども全て作り直さねばならない。つまり、家全体の改装なのだ。加えて、工事期間中の避難生活の家賃、家具等の引っ越し・保管費用も必要だ。
仕方なく、一部屋と、トイレ、風呂場とそれらの間の部分改装に縮小する。残る段差はスロープ板を特注。
「ここまで思い切ってする人は、なかなかいませんよ」と業者。慰めか、煽てか。
介護保険の助成限度額18万円が適用されたのは有難い。でも・・・!
この先何があろうと、ここを終の棲家としてしがみついてゆくしかない。
(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.225に掲載)
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