【若葉マークの車いす生活:18】梅花の出会い(2019年5月)
※高齢化、怪我・病で余儀なくされる車いす生活。その不安を抱えながら過ごす友人H氏による、古希を迎えて味わう貴重な車いす初体験談。
梅花の出会い
2月なのに春を先取りする暖かさ。誘われて車いす散歩に。スーパー堤防上の小公園では、10年ほど前に植えられた紅梅、白梅が大きく育ち、今満開。日向ぼっこを兼ねてスマホで写真を撮る。
本格的なカメラで梅の花を撮影していた方から話しかけられた。
「その電動車いすでは、連続してどの位の距離を行けますか?」、「15kmくらいですかね。」などと話すうちに、同じ団地に住む方と分かる。自分と1歳違い、デザイン関係の仕事をなさっていたなどと話しが弾む。今回も車いすが取り持つ出会いだ。自分の乗っている電動車いすが自立的で、デザインも斬新なためか、時折このように話しかけられ、新しい出会いが生まれる。
しかし、今回彼が車いすに注目したのには、「妻が数年前からリュウマチで、車いすでなければ外出できない身となった。だが、階段を昇降しなければ外部に出られないという自宅の構造上、介助の人を頼んだ時でないと、車いすに乗った妻を連れ出せない。外出すれば本人の気も晴れると思うのだが、どうしても回数が限られてしまう。」との事情があってのことだった。
車いす利用者の生活は本当に人様々。電動車いすの一人散歩ができることの有難さを改めて思う。
(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.228に掲載)
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