【若葉マークの車いす生活:13】年寄りのコミュニケーションは難しい(2018年12月)

※高齢化、怪我・病で余儀なくされる車いす生活。その不安を抱えながら過ごす友人H氏による、古希を迎えて味わう貴重な車いす初体験談。


年寄りのコミュニケーションは難しい

 快晴の日曜日、河川敷散歩に。途中の道路で電動車いすの同年配の方と出会う。「ゲートが閉まっている!」と話しかけられた。当方、堤防に上る斜面のゲートが閉鎖中と理解。「それじゃ上流の上り口を案内する」と、彼を反対方向へ案内。しかし、途中で彼は元のゲートに引き返すと言い出す。ゲートはちゃんと開いていた。なーんだぁ!堤に上がると、彼は一人で、どんどん上流に行き始めた。これで良かったのかと見送った、見下ろせば、河川敷では多くの集団がバーベキューを楽しんでいる。河川敷の中のゲートはいつも通り開鎖しているが、車いす通路は別のところにある。ここで気付くべきだった。「河川敷に降りた後、車いすが通れる入口は何処か?」と聞かれたのだと。時すでに遅し。先の我が言葉を、上流に河川敷へ降りる通路があると受け取った彼は、半時間後堤の上を空しく戻ってきた。上流にはどこまで行っても車いすで河川敷に降りられる所はない。
 連絡路を案内した後、振り返ると、仲間らしき人たちと手を振りあっている。無事合流だ。でも、肉はまだ残っているかな?
 ああ、年寄りの言葉不足、早トチリ、雑感化、理解力の低下!!

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.223に掲載)


※若葉マークの車いす生活のバックナンバーはこちらをご覧ください。