【まちなかの散歩:57】こどもの日(2013年5月)

 “子供”か“子ども”という表記をめぐる議論を避けてのことか、「“こども”の人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、“母に感謝する”(「国民の祝日に関する法律」)」日として、5月5日に「“こども”の日」が制定されている。六法全書を開けるまでは、まさか、“母に感謝する日”でもあるとは思ってもなかったが・・・。父は?

 5月5日には、古来から“端午の節句”として男子の健やかな成長を願う行事が行われていて、国会に“こどもの日”を祝日とする請願が寄せられた時にも、5月5日を希望する声が多かったからだと言う。世界的には、「子供の福祉世界会議」で6月1日が国際子供の日(International Children’s Day)と制定され、11月20日が国連で「世界こどもの日」(Universal Children’s Day)と制定されている。
 とはいえ、5月5日、あるいは11月20日を「こどもの日」とする国はごく少数で、5月5日は日本と韓国ぐらいであり、11月20日はエジプト、カナダ、パキスタンで、旧共産圏を中心として6月1日となっている国が多い。インドが、こども好きであったネルー初代首相の誕生日に因んで11月14日にしているし、アルゼンチンでは、給料日前にあたる年があるという理由で、日にちを変更されたという愛嬌のある経緯もあるらしい。

 今年は、3日憲法記念日、4日みどりの日で、5日がこどもの日、そして6日が振り替え休日である。憲法(施行)記念日が、こどもの日とともにゴールデンウイークに混じってしまい、今日では、その存在意義が薄れているが、今日、占領時に制定された憲法として、憲法改正が政策選択の俎上に上っている。中国・韓国をはじめとして東南アジアでの占領時代の日本の植民地政策が宗主国からの独立、文化・文明への貢献・功績があったことを認めよと主張するなら、“押しつけ憲法”の評価も同様に、戦後の日本の民主主義社会への功績を評価すべきではないのだろうか?憲法改正の先に何があるのか?どんな社会を期待できるのか?

 「痛いの、痛いの、飛んで行け!」と母に呪文を唱えてもらって、痛みが本当に飛んで行った経験がある。まやかしかも知れないが、こどもにとっては母親の“偉大なる信頼の賜物”である。一般的には、“まやかし”という菓子は、これからの社会を背負ってくれるこども達にも好ましくないし、大人には、瑕疵(かし)のない迷信(名神)ならぬ透明(東名)な信頼ある情報が欲しい。できれば、間もなくやってくる夏にプールに身を沈めて泳法を観察するように、表には隠された水面下での動きをしっかりと観察したいものである。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.104に掲載)


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