【フォーラム:140】分権改革による都市・まちづくり法制の進化を検証する:「土地利用の協議調整システム」とその次に来るもの(2019年10月)

第140回豊中まちづくりフォーラム

□日時:2019年10月29日(火)18時30分から
□会場:阪急豊中駅前 ホテルアイボリー 菫の間
□テーマ:分権改革による都市・まちづくり法制の進化を検証する:「土地利用の協議調整システム」とその次に来るもの
□講師:松本昭氏((株)市民未来まちづくりテラス代表取締役(一財)ハウジングアンドコミュニティ財団専務理事)

■講演概要

我が国が、人口増加・都市拡大社会から、人口減少・超高齢化・都市縮退社会へと大きく変容する中、国レベルの都市建築法制は事前明示型土地利用法制を維持しているが、分権環境を背景に、意欲的な市区町村では、景観法やまちづくり条例を活用して、地域の特性や良識が確実に開発建築計画に反映する「土地利用の協議調整システム」を構築し、一定の実績を上げてきた。
そこで、本セミナーでは、地方分権改革が、市区町村の都市計画やまちづくりにもたらした本質的な環境変化や多様な展開を次の3つの視点から明らかにする。

①「一元的土地利用法制」から「多元的土地利用法制」への移行
②都市建築法制と景観法制-「敷地主義」と「街並み主義」の二層制の選択
③まちづくり条例の進化-地域特性や地域の良識を確実に反映させる「土地利用の協議調整システム」の確立-

そして、つくる時代から活用する時代に移行した中、拡大した市街地をコンパクト&ネットワークに再編し、あるいは、法令上空白領域である「空地」や「空き家」など低未利用地の土地利用に地域意思を持たせる実効性ある仕組みなど、人口減少時代の諸課題に対処する新しい「まちづくりの仕組み」について大いに意見交換をしたい。

■講師プロフィール

1954年埼玉県熊谷市生まれ、1978年東京都立大学卒業、2014年東京大学大学院博士課程修了、博士(工学)、技術士(都市及び地方計画)、一級建築士、マンション管理士、再開発プランナーなど。
鎌倉市、国分寺市を経て、(株)市民未来まちづくりテラスを設立。
東日本大震災後、気仙沼市で地元住民と復興まちづくり会社を設立し、まちなか復興型災害公営住宅等共同化事業を事業化(2019年度都市住宅学会業績賞)(一財)ハウジングアンドコミュニティ財団専務理事、東京大学、法政大学等非常勤講師。逗子市、大磯町、八潮市、古河市のまちづくり審議会会長など。
著書に「人口減少時代の都市計画」(2011年共著)「まちづくり条例の設計思想」(2005年単著)「自治体都市計画の最前線」(2007年共著)「復興まちづくりの最前線」(2012年共著)など。(以上)