【若葉マークの車いす生活:28】なかなか籠っても居られない(2020年4月)
※高齢化、怪我・病で余儀なくされる車いす生活。その不安を抱えながら過ごす友人H氏による、古希を迎えて味わう貴重な車いす初体験談。
なかなか籠っても居られない
新型コロナウィルス問題が大変だ。自分の日常生活の範囲にどの程度感染の危険性があるのかは、マスコミ情報などで判断できる由もない。でも、近くの携帯販売店から、スマホ教室の中止メールが入ってきたりする。
日頃何かと他人様に迷惑をかけている車いす生活の身なれば、この際、外出を控えることも、恩返しの一つと勝手な理屈をつけて家に籠っている。しかし、一定の間隔ではスーパーに買い物に行かなければならない。また、明日は医者の定期診察日だ。そんな中、姪の子供から、「一斉休校のぎりぎり前日、卒業式を終えた」とメールが入る。上の子と同様の卒業祝いを送るため郵便局に行かなきや・・・。家に籠ることも結構難しい。などと気楽に言っておれるのは、年金生活者の無責任さだ。商店街の店々にとっても、現役の労働者にとっても、今回の事態は死活にかかわる大変な打
撃だろう。為政者の情けない危機管理失敗を幾度経験せねばならないのか。
(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.239に掲載)
※若葉マークの車いす生活のバックナンバーはこちらをご覧ください。