【若葉マークの車いす生活:7】譲り合い?(2018年6月)

※高齢化、怪我・病で余儀なくされる車いす生活。その不安を抱えながら過ごす友人H氏による、古希を迎えて味わう貴重な車いす初体験談。


譲り合い?

 日曜日、淀川の河川敷に電動車いす散歩に行く。
 しばらく行ったところで、向こうからスポーツ用自転車が来た。乗っているのはサイクリングスーツに身を固めた若い男性。ちょうど真正面に向き合う位置になった。向こうから横に寄れと手で、合図をしてきた。合図通り左に動いて道を譲る。
 譲りながら疑問が湧いよた。どちらが譲るのが合理的なのだろうか、と。
 ここは河川敷。車いすの左右には5メートル程の余裕があるし、他の通行人も今はいない。
 土手の上は、「自転車と歩行者の専用道路です」の標識があるが、自転車だけの専用道路ではない。まして河川敷は自転車道でも何でもないはずだ。
 「障がい者だから他の人はどんな時でもすべて譲るべし」という考えに自分は陥ってはならないと思っている。そうでなくても年を取って我儘な唯我独尊に陥っている自分を感じる時が多くなった。対等な人間同士として時と場合で合理的な譲り合いを常に意識したい。
 でも、今回のケースは、どうなのだろう。電動車いすは歩行者で自転車は車両だ。彼は、行く先々で歩行者に道を譲れと指示をしているのだろうか。
 電動車いすの生活で悩むこともある。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.217に掲載)


※若葉マークの車いす生活のバックナンバーはこちらをご覧ください。