【若葉マークの車いす生活:6】淀川の風景(2018年5月)
※高齢化、怪我・病で余儀なくされる車いす生活。その不安を抱えながら過ごす友人H氏による、古希を迎えて味わう貴重な車いす初体験談。
淀川の風景
淀川のほとりの団地に住んでいる。
近くの河川敷は、バーベキューのできる広場、野球場、陸上のトラック、テニスコートなど河川敷公園が約1kmにわたって整備されており、数千人が参加する淀川市民マラソンの出発・ゴール地点にもなっている。さらに1kmぐらい下流には城北のワンドがあり、休日は多くの釣り人がいる。
平日は人気も少なく、開けた眺望なので車いす散歩が気持ち良い。
この河川敷公園の一画に、5~60m四方の木々が茂る叢が残されている。“蛇に注意”の看板もあるが、早春から夏には鶯が鳴いている。
夏の終わり頃、その一角で三脚を据えて写真を撮っている人を見かけ、何を撮っているのかと尋ねると、黙って指を指す。なんと雉だ。赤、緑などの模様が美しい。悠然と叢の端を歩いていた。
11月、雉を見た近くで、黄色に輝く毛並みの小動物が夢中で何かを食べているのに出会った。驚かさないようにしばらく見ていると走って雉に隠れていった。イタチだ。ネットで確認したがあんな美しい黄色の毛並みの写真は載っていなかった。
大阪市内でもこんな風景があるのだ。こんな散歩ができる隠居生活は素晴らしい。電動車いすよ、有難う。
(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.216に掲載)
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