【若葉マークの車いす生活:37】老後の沙汰は金次第!(2022年6月)
老後の沙汰は金次第! 当たり前なんだけど・・・
老人ホーム生活で様々な不平不満が出てくるのは宿命だろう。しかし、そんな不平不満が少ない施設もあるようだ。
自分より後に入居して、既に別の施設へ変わって行った方がいる。
車いす利用者で、体のあちこちの手術を沢山してきたと言っておられた。
入居後直後から、施設生活の不満を口にすることが多かった。
直接のきっかけは、コロナによる閉鎖生活だ。曰く、食事が不味い、外へ出られない、家族と面会すらできない、注文を付けても職員は何もしてくれない、・・・などなど。
問題点として同感するところも多い。が、所詮、満足のいく解決は無理だ。仕方ないじゃないの、と心中で呟く。
ところがある日、ニコニコされて、「ここを出て、別の施設に移ることになった」と。
曰く、「そこでは、食事が不満なら、外から寿司でもなんでも出前を取ればよいし、外出して外食でもよい、面会は自由、介護も手厚いようだ。庭にはプールもある。」
全部を鵜呑みにする訳にはいかないが、相当処遇が良さそうだ。
退所の日、廊下で会ったら、照れ臭そうに、「ちょっと高いけど。月50万円位かな。それで済むかは、分からんけど。」と。
ネットで“高級老人ホーム”を調べた。月50万円、100万円という施設が並んでいる。
月50万円として、10年入居すると、
- 50万円×12月×10年=6,000万円
- 20年なら、1億2,000万円
- 夫婦なら、その倍
- 月100万円なら、更に倍
この額には、その他の経費を含まないから、実際には相当額の上乗せが必要。何年生きられるかも分からないし、別途相当額は手元に残しておくことが必要
2,000万円問題(今では3,000万円らしい)が言われる我々庶民とは無縁の、別世界だ。
日本の平均給与所得は減少し、世界の中でも大きくランクを下げている。金融資産倍増政策がいわれるが、元本をそもそも持たず、なけなしの資金つぎ込んでも、損するリスクは経済の仕組み上必ず存在する。所得税の1億円問題なんて世界もあるらしいが。
地獄の沙汰も金次第! 地獄の入り口一歩手前、老後の沙汰も金次第!
施設の食事を味わいながら、そっと呟く。
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