【フォーラム:199】病院冬の時代(2026年1月)

第199回豊中まちづくりフォーラム

□主催:豊中まちづくり研究所
□日時:2026年1月28日(水) 18時30分から
□会場:阪急豊中駅前 ホテルアイボリー
□会費:1,000円
□テーマ:病院冬の時代
□講師:蓬莱洋一氏(医療経済研究者・神戸常磐大学非常勤講師)

■講演概要

病院は今や冬の時代、いやいや、その兆しは以前からあったのです。コロナ禍で延命しただけなのです。日本の30年近くに及ぶ景気低迷と少子化の影響で緊縮財政へと舵がとられ、少子化対策も幾度か出されましたがその成果はなく少子化は今も進み、生産年齢人口の減少は財政を圧迫し厳しさを増してきたのです。その影響は医療業界にも及び日本の医療は診療報酬制度の下、いわゆる定価での診療行為が行われていますが、その定価である診療報酬が上げられず、経営の効率化の要求、補助金の抑制が行われ、最近では物価上昇・人件費上昇が重なっています。
物価上昇等を除けば、少子化による人口減少は予想できたことで、すでに社会や企業はその対策に取り組んでいます。一方の病院は、その経営改善方法は現状維持のための施策が多く大局的な視野があったのか疑問です。社会の厳しさとは少し違う世界の中で、「まだ大丈夫」そんな思いがあったのかもしれません。この社会との乖離が錯覚を生み、今、病院が厳しい冬の時代に突入しているのです。そして今、「前向きな撤退戦略」が提唱され、政策的にも舵が縮小へと切り替わったように思いますが、「時すでに遅し」の感はあります。冬の時代はしばらく続くでしょう。
人口減少社会において、これまでの量的拡張の時代の思考に固執することが果たして賢明であるのか。社会と同様に医療も成熟期であることを踏まえ、量的拡張の競争を続ける過当競争よりも、病院間あるいは福祉施設等との協調・連携を求められているのです。
今回の講演では、これまで40年の医療界での人生を回顧しながら、病院の現状・原因・対策に分けてお話しできればと思います。また、我々患者、そして患者になるであろう将来の自分の意識改革も含めて眼をそらさず適応する術を模索したいと思います。

■講師プロフィール

診療放射線技師
兵庫県立大学経済学研究科博士後期課程単位取得満期退学 経済学修士
元北播磨総合医療センター診療支援部中央放射線室副室長
元公益社団法人兵庫県診療放射線技師会理事
神戸常磐大学保健科学部診療放射線学科非常勤講師

■参加申し込み

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