【若葉マークの車いす生活:34】「若い」うちに人生設計を!(2022年6月)

「若い」うちに人生設計を! 70代は若いのだ!
後期高齢者になって、幾分偉くなったように思っていた(無理やり思った)が、老人ホームの中では、70歳代は貴重なヒヨッコである。
入居者を見ていると、家族と生活を共にすることが困難だと、施設に入れられたな、と、下司の勘繰りをする事も多い。夜中に廊下を徘徊して他人の部屋に侵入する事件も起きる。侵入された側は、いくら認知症だからと言われてもねえ(分かっちゃいるけどブツブツ・・・)となる。多様な身体介助に加えて、侵入被害が訴えられる施設職員には、本当に頭が下がる。
しかし、高齢者と馬鹿にしてはならない。100歳の誕生日を迎えて、食堂で配膳を待つ間にスマホを操作している方もいる。(20年後の自分は、スマホは使えないだろうな!)
90歳代の方とこんな話をした。
あなたは何年生まれですかと聞かれた。「15歳違いますね。お若いです。」「私は、つくづく思うのですが、若いうちに人生設計をしておくべきだ、と。私はもう駄目ですが、あなたは、まだお若いのだから、是非これからの人生について設計をしてください。」と。
正直、戸惑った。夫婦で老人ホームに入ることになり、社会と隔離された生活を送っている。読書も目の状態でままならない。すっかり、人生の終戦処理という気持ちになっている。だから、「いやあ、もう若くはないですよ。」と答えた。
すると、「いや、まだお若い。色々考えたり、何かすることができる。これからの人生、5年でどうするか、10年でどうするか、を設計できる。できるだけ若い時代を長く、何もできなくなる時代を短くして。私の経験からお話しするんですが。」と。
ギョッとした。施設生活を口実にして、日々の状況に流され、無為無策の生活を送っていませんか?それで良いのですか? と、見透かされていた!
何か自分としても考えるべきだ、と、思った。
少しのことにも、先達はあらまほしき事なり!
だが、今に至っても、何も考えていない。生来の怠け者、この歳で心の入れ替えなど出来っこない。でも・・・。


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