【まちなかの散歩:123】“後の祭り”にさせないために(2018年11月)

 この夏は“気象の狂暴化”現象が続いた。昔なら“末世”と呼ばれ、“ノストラダムスの大予言”が当たったと騒がれる現象であろうか。(真相不明に終わった“ハルマゲドン”はこの際、無視する)
 23年前の阪神大震災よりも激しく揺れた6月18日午前7時58分の「大阪府北部地震」に始まり、第38回の七夕祭りの開催を危うくさせた「平成30年7月豪雨」、そして再度の地震、これらが長い酷暑の夏に続いた。10月に入り、やっと涼しくなったと感じ始めた矢先の台風21号の猛威に我々世代も恐れ慄いた。台風一過、市内の停電とCATV経由のテレビ受信不能の日々が続き、駅前での警官の交通整理の様子のTV全国放映で遠くの友人から見舞いのメールが続々と届いた。電化生活に慣れた日常生活を壊し関空をも閉鎖させ、ブルーシートで覆われた家々を見ると阪神大震災の被害を思い出す。余震が続く北海道の地震。ここ3か月の間に起きた災害の記憶すら忘れてしまうような今夏の天候だったが、災害への備えの弱さを感じる。“備えあれば憂いなし”とはいうが言葉だけが先走る。“今だけ、金だけ、自分だけ”に反した災害防止の先行投資が減災につながる。かつて東日本大震災の仙台の教訓を指摘し、海上空港・関空が近畿圏の災害時に危機管理上問題があり、伊丹空港を存続させるべきとの主張を地元エゴであると一蹴し、関空にハブ空港として集中させるべきだと主張した評論家が今、「関空の欠陥」を悪びれずに指摘する。いやはや当事者でないから当然か。
 民営化され、国が経営に口が出せないはずの関空の再開を社長よりも首相が発表し、北海道電力の配電再開を通産大臣が、節電を消費・エネルギー庁が発表する。一方で、オリンピック誘致時に、首相が「アンダーコントロール」と高らかに宣言した福島原発の水の汚染は除去されず手の打ちようがないと、こちらは電力会社が認める。この国は一体どうなっているのか?
 一方、豊中駅前地区ではどうなのか。この間に開催された七夕まつり、校区運動会、稲荷神社の大祭と地域のソフト行事は変わらぬ人気を博している。その裏方の献身的な働きに敬意を表しつつ、それを支える都市基盤の整備はどうなのかを考える。まちづくり推進協議会は、先にまちの都市基盤の課題として以下を掲げている。

豊中駅前の歩行者空間の考え方」として
①スクランブル交差点の改良
②銀座通りのモール化
③箕面街道の歩行者空間の安全性向上(歩道設置)
④国道176号との交差点部の改良及び南吉野線の延伸
(銀座通りをモール化した場合、豊中駅前に行くための道路として交差点改良等が必要)

10年間店晒しにされた豊中駅前の整備計画。各施策の順位が如何なる基準で決められているかを新市長とそのスタッフに厳しく追求できるまちづくり活動家、議員の当事者意識をもった意欲的な活動に期待する。祭りのあとも、まちを“後の祭り”にさせないための・・・。

(『豊中駅前まちづくりニュース』Vol.222に掲載)


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